マンション売却するときつなぎ融資を利用するケースは?メリットとデメリット

売却の流れと基礎知識

不動産売却一括査定「イエイ不動産売却査定」

マンションを売却する際につなぎ融資の利用を検討している方向けの記事です。
つなぎ融資の利用はどのようなケースで有効なのか、つなぎ融資のメリット、デメリットを不動産会社スマートアンドカンパニーがわかりやすく解説します。

記事を読めば以下の内容がわかります。

・マンション売却でつなぎ融資を利用するケース

・マンション買い換えでつなぎ融資を利用するメリットと注意点

・つなぎ融資を利用しやすいマンションの特徴

マンション売却時につなぎ融資を利用するケース

つなぎ融資を利用するケース

中古マンションの売却における“つなぎ融資”とは、一時的に資金を銀行に建て替えてもらうために利用する短期間のローンのことです。

現在所有しているマンションの売却が完了して資金が準備出来たあとに、新しい居住用マンションを購入する流れでの売買を “売り先行”と呼びます。一方、新居を先に購入して移住した後に所有していたマンションを売却する流れの売買を“買い先行”と呼びます。

売り先行での住み替えは、新しい物件を購入する前に新居購入用の資金が手元に入るためローンを組む必要はありあせん。

しかし買い先行で新居を先に購入する場合は、現在所有しているマンションはまだ売却できていないため、手元にお金がありません。新居を購入するためには頭金などの自己資金も必要となります。
この新居購入用の費用を一時的に銀行に建て替えてもらうのが、「つなぎ融資です。現在所有している物件を売却するという前提で、短期的に組む住宅ローンのことです。

「つなぎ融資」を利用するケース
マンション売却前に新居を購入する買い先行の住み替え
つなぎ融資を利用して買い換えるケース例

今住んでいるマンションが古くなってきたので住み替えを考えている場合を例に挙げて考えてみましょう。
例えば都会の暮らしに疲れて地方へ引っ越したいと考えている方がいたとします。現在所有する都心のマンションを中古マンション売却査定サイトで査定したところ平均して4,000万円の売却査定価格がつきました。地方で購入を考えている物件は2,500万円なので、現在所有しているマンションを中古で売却した金額を返済にあてれば、新しい物件代は十分に賄えそうですよね。
ここで新しい住居を購入してその場所へ移ったあとに古い住居を手放す“買い先行”でつなぎ融資を利用することにします。
つなぎ融資では、現在所有しているマンションの売却予想額の70~80%を先に借りて購入資金に充当し、売却できたら返済するというのが一般的です。
例えば査定した中古売却予想価格が4,000万円のマンションの場合は2,800万円~3,200万円の融資を受けることが考えられますので、新居のマンション購入費用の2,500万円は問題なく工面することが出来るという訳です。

つなぎ融資は、マンション売却を買い先行したい時におすすめ

つなぎ融資は買い先行で利用する

マンションの買い替えを行う場合に、先に新居を購入してから居住していたマンションを売却する「買い先行」では新居の購入費用が工面できる“つなぎ融資”が有効にはたらきます。

買い先行の資金問題を解決するのが「つなぎ融資」

新しい物件を一括で購入できる豊富な資金を持っていれば、何の問題もありませんが、先に新しい物件を購入するためのまとまった資金を自分で用意出来ない場合は、新居を購入するために新たに住宅ローンを組む必要が出てくるケースも考えられます。そういった買い先行による新居のための資金繰りの負担を減らす制度があります。それがいわゆる「つなぎ融資」です。

つなぎ融資を新居の頭金にすることで、自己負担を減らして買い先行をすることが出来るようになります。

マンション売却での「買い先行」と「売り先行」の違い

つなぎ融資は、マンションを売却して新居を先に買う「買い先行」の場合におすすめ出来る融資ですが、そもそも「買い先行」でマンションを買い換えるメリットはどこにあるのでしょうか。

「買い先行」と「売り先行」の違いをメリットとデメリットを比較しながらみていきましょう。

 

「買い先行」と「売り先行」メリットとデメリット
 メリットデメリット
買い先行納得がいく新居選びができる
内覧の負担が軽くなる
新居購入資金の工面が必要
売り先行無理なく資金計画が組める内覧が負担になる
売却まで仮住まい費用がかかる

「買い先行」のメリット

  • 理想の新居を探すことができる
    新居購入時、“買い先行”のメリットは、現在所有しているマンションに住みながらじっくりと自分の住みたい住居を探すことが出来るという点が挙げられます。住居は大きい買い物ですので、じっくりと吟味を重ねた上で購入することはとても大切なことです。
  • 内覧時に有利
    築年数の経過した中古マンションですと綺麗に補修・清掃が行き届いた状態の部屋とそうでない部屋では随分と印象が変わります。

    買い先行の場合、先に新居を購入し引っ越しを済ませてからの物件売却となります。綺麗な状態の部屋を希望者に内覧してもらえるのは、買い先行で物件を売却する最大のメリットと言って良いでしょう。
    部屋がからっぽに空いてモノが置かれていない部屋の状態を目の当たりにすることで、購入希望者の印象は良くなります。「自分のお気に入りの家具はここに配置しようかな」「この部屋は子ども部屋として使えそうだな」等、もしこの物件を購入したとしたら、自分だったらどうするかな?と、内覧者があれこれ想像を巡らせやすくなるからです。
    居住用マンションの買い替えであれば“買い先行”の方がメリットがあります。中古とはいえ大切にしてきた物件を査定価格より大幅に値下げして売却しないためにも、部屋を綺麗な状態で内覧してもらえる“買い先行”でマンションを売却に出すことが出来ればいいですよね。
  • 売主に与える心理的メリットも
    つなぎ融資を利用して買い先行でマンション売却を進められる事で、売主が受けられるもあります。

    売却する中古マンションを綺麗な状態で内覧に出すことが出来きます。査定した予想売却価格よりも安く買い取られる心配を減らすことが出来るでしょう。

    売り先行の場合は、毎回所有マンションの内覧の予約が入る度に部屋を綺麗にしなければならないことをプレッシャーに感じる方も少なくありません。「片付けや隅々まで掃除しなくては査定価格より大幅に安い値段での取引になってしまうかもしれない」と不必要な不安を持ち、内覧のたびに掃除が行き届いているかをその都度気にしなければいけません。もし清掃が行き届いていない状態で内覧対応した場合、その負い目から弱気になって不必要に安い価格で売却してしまうことも考えられなくはありません。

    売り主が心に余裕を持って内覧の対応をすることはとても大切なことです。内覧時に心の余裕を持つためにも、自分で十分な資金を用意することが出来なくても買い先行することが出来る「つなぎ融資」は、売り主にとって有難い制度なのです。

「買い先行」のデメリット

  • 新居購入費用を工面する必要がある

    買い先行では、所有しているマンションの売却がまだできていない為、新居の頭金などは別で工面しなければいけないという点が挙げられます。

「売り先行」のメリット

  • 資金計画に無理ない範囲で住み替えができる

    売り先行の新居購入についてはどうでしょうか。売り先行では、すでに所有しているマンションの売却が完了していますので、手元に資金がある状態で新居を購入できるため、資金計画を立ててから新居を購入できるのがメリットです。

「売り先行」のデメリット

  • 内覧が売主の負担になる場合がある

    売り先行では、まだ新居に移っていない状況で所有するマンションを売却するわけですから、売り主の持ち物がまだ部屋にある状態で内覧に入ってもらうことになります。もちろん売り主も片付けや掃除をして綺麗な状態で内覧を受け入れようとする心構えは持っていますが、小さいお子さんや他の家族も住んでいる場合は、いくら気を付けていてもやはりどこかに生活感が出てしまうという可能性は考えられます。インテリアにこだわっていて自慢の部屋だからいつ人が来ても大丈夫!という方なら良いのですが、毎回、内覧が決まるたびに片付けをしなければいけないことをストレスに感じる売り主もいらっしゃるかと思います。

    売り先行の場合は、売り主側がストレスを感じながら内覧者を受け入れなければいけない場合もあるということをまずはおさえておきましょう。そして売り主の持ち物がある部屋を内覧して、「この物件で実際に生活している人の家具の配置が参考になるから良い」とプラスに考えてくれる希望者も中にはいるかもしれませんが、生活感を目の当たりにしたせいで提示された値段が高く感じてしまう希望者も出てくるかもしれません。
  • 売却までの仮住まい費用が負担になる

    売り先行では売却が決まったら速やかにマンションの部屋を空けなければいけなくなります。ですので新居が決まっていない場合は、仮住まいの賃貸に一時的に住みながら新居を探さなければいけないというケースが考えられます。賃貸費用もですが、引っ越しの手間も買い先行よりかかってしまう点が売り先行のデメリットです。

    また、「一刻も早く新居に引っ越さないと賃貸料金がもったいない」という焦った状態で新居探しをすると、視野が狭くなって、本当に自分が住みたい物件かどうかを吟味する余裕がなくなってしまうことも売り先行のデメリットとして挙げられます。

    資金が豊富な方はマンションが売却が長引いても問題ありませんが、売却までの期間が長引けば長引くほど賃貸期間は長くなり、支払う費用もかさみます。売り先行で賃貸での仮住まいをお考えの方は、売却期間が長引いても大丈夫なように仮住まいで賃貸する時の費用はあらかじめ多めに見積もる必要があります。

マンション売却時につなぎ融資を利用するデメリット

つなぎ融資デメリット

自分で新居の費用を工面できない。しかし買い先行で所有するマンションの中古売却を考えている、という場合はつなぎ融資が大変便利です。新居を購入するにあたっては頭金を用意する必要がありますが、新居の頭金もつなぎ融資により工面することが出来ますので、購入時に自分で準備する金額を軽減することが出来ます。そんな売り主にとっては大変有難い制度の“つなぎ融資”ですが、もちろん制約(デメリット)も発生します

  • 返済期間が短い

    つなぎ融資のデメリットの一つとして、返済期限が短いということが挙げられます。金融機関によって返済期限は異なりますが、一般的には6ヶ月~1年がつなぎ融資の一般的な返済期間です。ですので、つなぎ融資を受けてから最大1年以内に所有しているマンションを売却し、返済をするという制約を銀行と交わして、融資を受けるということになります。

    もし、期限内に所有するマンションが売却できなかった場合はどうなるのでしょうか?その場合は、銀行が代わりに物件を買い取ることになります。もちろん相場より安い値段で買い取られることがほとんどです。つなぎ融資を銀行に依頼する場合、もしも期間内に売却できなかった場合は、銀行が買い取ることを条件としたプランを提示する銀行が多いです。銀行の買取価格は、市場価格の70%程度と言われていますので、中古マンション一括査定サイトなどで査定した価格を元に、銀行の買取価格も合わせてシミュレーションしてみると良いでしょう。
具体的な金額で考えてみましょう。
中古マンション一括査定サイトでついた査定金額が平均して約5000万円だった場合、単純計算すると銀行の買取価格は3500万円になります。もちろん銀行も独自に査定しますので、3500万円という買取価格はおおまかな目安としてお考えください。
気になる方は一度中古マンション一括査定サイトの査定価格を参考に、銀行の買取価格を予想してみるといいでしょう。 

つなぎ融資を受ける際は、買い先行が出来て売り主にメリットがあります。ただしその反面、期間内に物件を売却することができなければ所有するマンションを銀行に安い値段で買い取られる可能性もあるというデメリットがあることもおさえておきましょう。

売れやすいマンションを所有している場合にはつなぎ融資を利用した方がいい

売却しやすいマンションはつなぎ融資を利用

つなぎ融資を受けた場合は、銀行が定めた期限の中でマンションを売却する必要があります。そのため自分の持っているマンションが期間内に売れる物件かそうでないかをしっかりと見極めた上で融資を受けるか受けないかを判断する必要があります。

結論から言いますと、なかなか売れそうにない物件を持っている場合は安易につなぎ融資を受けることはおススメできません。売却に時間がかかる可能性があり、物件を安値で銀行に買い取られてしまうリスクが高くなるからです。

逆に早く売れそうな人気の物件を所有している場合は、つなぎ融資を受けることをおススメします。つなぎ融資を受けても期間中に思い通りの価格で売却出来る可能性が高いためです。

つなぎ融資利用がおすすめできるケース
早期売却できそうな需要の高いマンションを所有している場合

駅から近い物件はやはり人気がありますし、中古マンションでも築浅であればあるほど価値は高まります。近くに郵便局やコンビニがある等、周辺に生活施設があるということも物件の価値が高いか判断できる要素の一つなります。

ただし、人気のエリアにある物件でも、騒音の問題や、日当たりの悪さ等、物件にマイナスの要素も同時にあることもあるでしょう。物件の価値は、1つの要素だけで決めることは出来ません。様々な要素を組み合わせて査定されます。

自分だけの判断で所有するマンションの価値を正確に判定することは難しいと言えます。
自分の所有するマンションの価値はどの程度なのか、早く売却出来るかどうかなどを見極めたい場合にはプロに物件を査定してもらうのが安心です。

売れやすいマンションなのかは一括サイトを利用して判断する

売れやすい物件の判断は査定サイトで行う

つなぎ融資の利用を考えているなら、売れやすいかどうかを含めてマンションの資産価値を正しく知っておく事が重要です。
「マンションの価値を判断するためにプロの査定を受けたい」そんな場合に利用出来るのが一括査定サイトです。インターネットで複数の不動産会社に一括で申し込みができます。利用は無料ですし、時間も労力もかからないのでおススメです。

1社だけの査定では、査定がきちんとされているのか判断が付きづらく、査定価格に不満を持ってしまうこともあるかもしれません。中古マンション一括査定サイトでは複数社に同時に査定依頼をすることができます。様々な角度から査定してもらえるため、物件の価値をより客観的に判断することが出来るでしょう。複数の不動産会社の情報を知ることも出来るため、自分のニーズに合った不動産会社と出会う確率も高まります。

一括査定サイトにもいろいろあります。人気の高い査定会社をチェックできるマンション売却一括査定人気ランキングで、人気の高い査定会社を選んで申し込みをしてみることをおすすめします。

マンション売却時のつなぎ融資 まとめ

・つなぎ融資は、買い先行で住み替えをする際の資金繰りの負担を減らす制度

・つなぎ融資は返済期間が短いため早期売却できる物件での利用が望ましい

・つなぎ融資利用の際はマンションの価値を知るために複数社から査定を受けよう

売れやすい物件ならば、つなぎ融資はかなり有効な方法です。逆に売れにくい物件の場合はつなぎ融資を使わないほうが良いケースももちろんあります。つなぎ融資による住居の買い替えを検討する場合は、中古マンション一括査定サイトで所有する物件を複数社に査定をしてもらい、売れやすい物件であるか否かを知った上で、融資の判断をすることをおススメします。

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