~マンション売却のための税金の基礎知識~(20)

マンション売却のための税金の基礎知識

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新たな遺言書


 相続は、基本的に遺言書が優先されることは、前回にお話ししました。ですので、遺言書がある場合は、その遺言書にしたがい、遺産分割の協議をおこなうことになります。
 しかし、遺言書にしたがい、遺産分割協議をおこない、相続がすべて終了したにもかかわらず、新たに遺言書が見つかった場合は、どのようにすればよいでしょうか?
 新たに見つかった遺言書が、被相続人が直筆で書いた遺言書(この遺言書を自筆証書遺言といいます。)の場合は、まず、開封せずに家庭裁判所で検認をする必要があります。検認をしないと、相続の手続きをおこなうことはできません。また、遺言書を見つけた人が裁判所で検認の手続きをしなかったり、勝手に遺言書を開封した場合は、罰則があります。5年以下の過料にかされます。つまり、遺言書を勝手な扱いをするということは、犯罪ですので、くれぐれも注意をしてください。
 しかも、その遺言書を勝手に開封し、その内容が、自分に都合が悪いからといって、破棄したり、隠してしまった場合は、罪に問われるだけでなく、相続人として欠格していると見なされ、相続欠格として相続人になることはできなくなります。
 そのため、遺言書が出てきた場合は、すみやかに決められた手続きをおこなうことが重要です。
 新に見つかった遺言書が公正証書遺言の場合は、検認を受ける必要はありません。また、公正証書遺言でも、法的に無効な場合もあります。ですので、新たに見つかった遺言書が公正証書遺言の場合でも、無効であれば、当然先に遺産分割協議で決められた内容の相続となります。
 遺言書は、何でもよいということではなく、書き方には法で定められた規定があり、その規定を守っていない場合は、無効となってしまいます。
 また、新たに出てきた遺言書の内容が、特定な人が相続する内容であった場合は、先におこなった遺産分割協議の内容は無効になっていまいます。さらに、新たに出てきた遺言書の内容に、排除や取消などが書かれていた場合は、家庭裁判所に、その請求をすることとなり、請求が認められれば、排除を受けた相続人は、相続の権利を失うことになってしまいます。
 財産は、被相続人のものであるため、被相続人が自由に決定する権利があるためです。
 遺言書に、子の認知の記載があれば、相続人が増えることになってしまいます。この場合は、先に行われた遺産分割協議の内容を優先しますが、遺言書によって認知された子が、相続分を、相続人対して請求してきた場合は、法で定めれた相続分を支払わなければなりません。
 このように、遺言書は、被相続人の意思を示したものであるため、後で見つかった場合も、当然尊重されます。ですので、遺産分割協議をおこなう前に、遺言書の存在をしっかりと確認する必要があることを、じゅうぶんに理解していただきたいと思います。
 被相続人の財産が、金銭のような分割しやすいものだけであれば、後から遺言書が出てきても、まだ分割は可能かと思いますが、相続財産には、マンションのような不動産が含まれる場合があります。その場合は、売却したり、名義変更したりと、相続の手続きは大変です。それが終わった後に、新たな遺言書が見つかると、大変な時間と労力の無駄にもなりかねません。くれぐれもそのあたりを気をつけてください。

遺産が不動産


 被相続人が亡くなり、相続が開始となったとき、遺言書にしたがって、遺産分割協議をおこなうことは、お話したとおりです。遺言書がない場合でも、法律で決められている相続人が、法で決められている相続分を相続することとなります。
 相続財産が現金のような金銭だけであった場合は、分割は容易になると思いますが、相続財産に、マンションのなどの不動産がある場合は、分割することはむずかしくなります。相続財産に、マンションと同等分の現金などがあった場合は、一方が現金などで、他方がマンションを相続することができますが、そういうケースはまれでしょう。
 相続財産にマンションなどがあると、やはり分割することはむずかしいかと思います。
 では、相続財産にマンションなどが含まれる場合の分割方法はどのような方法があるでしょうか? 大きく分けると、3種類の方法が考えられます。
1.共同相続人が全員で、相続財産である不動産を共有不動産とする方法
2.相続財産に相続時に住んでいる相続人がいる場合、その相続人が相続財産である不動産を相続し、不動産を相続した相続人がその不動産の価値に相当する金銭を他の相続人に支払う方法
3.相続財産である不動産を売却し、金銭に変えてから相続人で分ける方法
以上の3つの方法が考えられます。
 1つ目は、不動産を共有することになるので、分割というよりは、共有です。ですので、相続割合に応じて共有することになります。そうすると、登記する場合、名義が複数人となってしまうので、その後、この不動産を売却する場合、少し面倒になってしまいます。また、相続分の応じて、登記するにしても、その持ち分によって、不動産を使用することはできないわけで、トラブルが生じる可能性があります。ですので、この方法は、あまりおすすめできないです。
 2つ目は、不動産を相続した人が、他の相続人に対して、相応分の金銭などを支払うことができればよいのですが、それができない場合は、むずかしくなっていまいます。
 3つ目は、一番わかりやすいと思います。不動産を金銭に変えるわけですから、分割しやすくなるわけです。しかし、問題もあって、売却するには、相続人全員の承諾が必要なため、相続人のうちの1人が反対したら、売却できなくなってしまいます。

不当な遺言


 被相続人が遺言書を残していた場合、遺言書のとおりに、相続することは、お話ししたとおりです。自分の財産を自由に処分できるという民法の考え方にそっています。
 しかし、その遺言書で、法では相続人となる人が、相続できる分がなかったり、たとえ、相続分があったとしても、他の相続人と比べて、不当な内容の遺言書であった場合、どうすればよいでしょうか?
 民法では、法で定められた相続人が最低限受け取ることのできる遺留分が定められています。もし、遺言書に書かれた内容が、この遺留分にまで侵害している場合は、その侵害している分の請求をおこなうことができます。このことを遺留分減殺請求といいます。
 遺言書が見つかった場合、その遺言書が、法的な効力を持っているかどうかを確認することが大切です。確認するポイントとしては、次のとおりです。
 1.本当に被相続人が作成したものであるか?筆跡は本人のものであるのか?
 2.すべての文章を被相続人自身が書いていて、日付・印鑑・署名があるか?
 3.作成された日付のときに、被相続人がしっかりと意思表示ができる状態であったか?(認知症などの判断できない状態ではなかったか?)
 上記のポイントを抑えているかどうか、まずは確認することが重要です。そうでなければ、遺言書の効力が、法的に無効となってしまいます。もし、無効となれば、不当であると請求する必要はなくなります。
 遺言書が、法的にも効果があると判断された場合は、基本的に遺留分の減殺請求をする方法になります。しかし、法的に効力がないと判断された場合は、法で定められたとおりに、法定相続分を相続することになります。
 法定相続分は相続人が、配偶者と子1人の場合は、配偶者が2分の1、子が2分の1を相続します。配偶者と、被相続人の親の場合は、配偶者が3分の2、親が3分の1となります。配偶者と、被相続人の兄弟姉妹の場合は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1と定められています。親や兄弟姉妹が複数人いる場合は、その相続分を複数人で分けることになります。
 このように、法で相続分が決められています。不当と思う場合は、まず、遺言書の内容を確認し、次のその遺言書が法的に効力があるかどうかを確認し、効力があるのであれば、遺留分の請求をすることになります。
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