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執筆:株式会社スマートアンドカンパニー 編集部(収益物件の買取・再販)
最終更新:2026年8月26日。記載の制度概要は国土交通大臣指定の指定流通機構(レインズ)公式情報に基づきます。
マンションを売りに出すとき、不動産会社から「レインズに登録します」と説明を受けることがあります。名前は聞いたことがあっても、実際にどんな仕組みで、売却にどう関わってくるのかまで理解している方は多くありません。本記事では、レインズという制度の成り立ちと仕組み、売主として知っておくべき登録義務のルール、そして仲介と買取でレインズの扱いがどう違うのかを、不動産会社の視点も交えて解説します。
レインズとは?制度の成り立ちと4つの指定流通機構
レインズ(REINS)とは、「Real Estate Information Network System」の頭文字をとった名称で、日本語では「不動産流通標準情報システム」と呼ばれます。全国の不動産会社が、売買を依頼された物件の情報を登録・共有するためのネットワークシステムです。
この仕組みは、昭和63年5月の宅地建物取引業法改正によって創設され、平成2年5月に施行された「指定流通機構」制度に基づいています。現在、国土交通大臣から指定を受けた機構は全国に4つあり、それぞれが担当エリアの物件情報を管理しています(詳しくは東日本レインズ公式サイトの制度紹介ページで確認できます)。
- 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)
- 中部圏不動産流通機構(中部レインズ)
- 近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)
- 西日本不動産流通機構(西日本レインズ)
レインズができる以前は、不動産会社が自社で受けた物件の情報をチラシや紙の資料(いわゆる「マイソク」)でやり取りするしかなく、会社をまたいだ情報共有には限界がありました。指定流通機構の創設により、会員である不動産会社どうしがオンラインで物件情報を検索・共有できるようになり、売主にとっては「自分が依頼した会社だけでなく、全国の会員会社に物件を紹介してもらえる」という状態が実現しています。
媒介契約の種類とレインズへの登録義務
不動産会社と結ぶ媒介契約には3種類あり、それぞれレインズへの登録義務の有無・期限が異なります。
| 媒介契約の種類 | レインズへの登録義務 | 登録期限の目安 | 複数社への依頼 |
|---|---|---|---|
| 専属専任媒介契約 | 義務あり | 契約日から5日以内(休業日を除く) | 不可(1社のみ) |
| 専任媒介契約 | 義務あり | 契約日から7日以内(休業日を除く) | 不可(1社のみ) |
| 一般媒介契約 | 任意(会社の判断による) | 定めなし | 可(複数社に依頼可) |
専属専任・専任媒介契約では登録が宅地建物取引業法上の義務であるのに対し、一般媒介契約では登録するかどうかは不動産会社の判断に委ねられています。どの契約が自分に合っているかは、登録義務の有無だけでなく、複数社への依頼可否なども含めて総合的に検討するとよいでしょう。
なお、レインズは不動産会社どうしが物件情報を共有するための会員制システムであり、一般の方が直接ログインして検索することはできません。ご自身の物件がきちんと登録されているかどうかは、契約した不動産会社から交付される「登録証明書」(物件番号・確認用のパスワードなどが記載された書類)で確認する方法があります。登録証明書の受け取り方や記載内容の詳しい確認手順は、以下の記事で解説しています。
マンションを売却するときはレインズ登録証明書をもらいましょう
一般の方でも見られる「レインズ・マーケット・インフォメーション」
レインズ本体は不動産会社専用のシステムですが、指定流通機構は成約済み物件の価格情報を匿名化したうえで一般公開する「レインズ・マーケット・インフォメーション」というサービスも運営しています。エリアや間取りなどの条件を指定して過去の成約事例を調べられるため、売却相場の感覚をつかむ材料として、査定を依頼する前に一度目を通しておくと安心です。
あわせて、国土交通省が公開する「不動産情報ライブラリ」でも、地価公示や取引価格情報などの公的データを確認できます。不動産会社から提示された査定額を、こうした一次情報と照らし合わせて確認する習慣を持つことをおすすめします。
仲介と買取でレインズの扱いは異なる
ここまで説明してきたレインズは、あくまで「仲介(媒介契約を結んで買主を探してもらう)」の場合の話です。一方、収益物件の買取・再販を手がける当社のような買取業者が物件を直接買い取る「買取」の場合は、そもそも買主を探す媒介契約を結ばないため、レインズへの登録対象にはなりません。
仲介はレインズを通じて広く買主を探すため、時間はかかっても市場価格に近い金額での売却を期待できる方法です。対して買取は、買主を探すプロセスを省略して不動産会社が直接購入するため、レインズ登録や内見対応が不要になり、比較的早期の現金化を図りやすいという特徴があります。「なるべく早く手続きを終えたい」「内見対応の手間を減らしたい」といった事情がある場合は、買取という選択肢も含めて比較検討することをおすすめします。
会社ごとに査定の根拠や在庫方針が異なるため、複数社を比べると判断材料が増えます。同時申込で手間も減らせます。
まとめ
レインズは、不動産会社どうしが物件情報を共有するための会員制システムで、専属専任・専任媒介契約では登録が義務、一般媒介契約では任意という違いがあります。ご自身の売却がレインズを通じて広く紹介されているかどうかは、登録証明書やレインズ・マーケット・インフォメーションを使って確認することができます。また、仲介と買取ではそもそもレインズの関わり方が異なるため、「広く買主を探したい」のか「早期の現金化を優先したい」のか、ご自身の状況に合わせて売却方法を選ぶことが大切です。まずは複数の査定サービスを比較し、ご自身に合った不動産会社を見つけることから始めてみてはいかがでしょうか。