不動産投資はどんな人に向いている?不動産投資家になるために必要なもの

不動産投資の知識

不動産投資を始めたい方の中には、どんな人が不動産投資をしているのか興味がある方もいらっしゃるでしょう。不動産投資を始めたいと考えている方にとって気になる情報を不動産会社スマートアンドカンパニーが解説します。

記事では以下の内容がわかります。

  • 不動産投資家に向いている人の特徴
  • 不動産投資家で多い職業
  • 不動産投資家になるために必要となるもの
  • 不動産投資のメリットとリスク

不動産投資に向いている人の特徴


不動産投資はどんな人に向いているのでしょうか?
不動産投資家には、もちろん様々なタイプの方がいますが、不動産への投資を長く続けていられる方にはいくつか共通する点があります。

  • 「コツコツ勉強が出来る人」
  • 「計画性がある人」
  • 「行動力がある人」

コツコツ勉強ができる

不動産投資をするには、不動産物件に関する情報、法律や税金のこと、手続きの仕方など、様々な知識が必要です。また、それぞれにおける最新の情報も常に仕入れておく必要があります。「一生勉強」などといった言葉がありますが、「一生勉強」の精神が不動産投資においては必要となります。

計画性がある

行き当たりばったりでは確実な利益を生み出すことができません。集めた情報から長期的な視点で損益を判断できる計画が立てられることが必要となります。
一生勉強の精神で、身軽に行動し、集めた情報を駆使して長期的な計画を立てることができる、このような人が、不動産投資家に向いているのではないでしょうか。

行動力がある

不動産業者の情報を鵜呑みにするのではなく、情報収集のために現地へ赴く行動力も必要です。また、何かトラブルがあった場合でも解決するために自ら考えて動く事も重要でしょう。

ですから、地道な積み上げが苦にならず、長期的な視野を持つことが出来、自ら考えて行動できる方は、不動産投資家に向いているといえるでしょう。

不動産投資をしているのはどんな人?


不動産投資を行っている人は、いったいどのような人なのでしょうか。

資産家や元々土地を所有している人一部の裕福な人、というイメージがある方もいらっしゃるでしょう。しかし、サラリーマンや公務員の兼業不動産投資家も実は多くいます。
副業禁止規定がある公務員ですが、不動産投資は条件付きで認められています。規模や収入が一定の範囲内に収まっていて管理を委託していれば副業とはみなされないのです。具体的には5棟10室以下で年間家賃収入が500万円以内であれば、公務員でも不動産投資をすることができます。
一般企業も副業を禁止している企業がほとんどでしたが、近ごろは企業の副業解禁が話題となっています。副業として、不動産投資家を選ぶ会社員がますます増えてくるのではないでしょうか。
また、どうしても会社が副業を認めず不動産投資が出来ない場合でも、自分の名義ではなく妻名義で投資を行う方もいます。詳細は妻名義の不動産投資に関する以下の記事を参照ください。

公益財団法人 日本住宅総合センターが平成31年3月に三大都市圏で、アパート・賃貸マンション(一棟全体)を経営しているオーナーを対象に行ったアンケート(サンプル数300)の結果から実際にどのような人が不動産投資を行っているかを見てみましょう。

アンケートの結果によると、専業で賃貸経営を行っている個人は2割ほどです。専業の法人を含めると全体の1/4程度になります。一方兼業サラリーマンの割合は全体の3割近くを占めています。

不動産経営を始めたきっかけは、以前から所有している土地を利用して不動産経営を始める方の割合が最も高く4割近くを占めます。一方、新たに物件を購入して投資を始める方も2割にのぼります。賃貸物件を購入した人とあわせると3割以上になります。
新たに賃貸物件を購入したケースを見てみると、中古に投資している割合が高く、8割を占めます。
特に東日本大震災が起こった2011年以降、新たに土地の購入から投資を始める割合が増加している傾向がみてとれます。

賃貸住宅をどのように管理しているかについては、管理委託(一部委託も含む)が5割以上
で最も多くなっています。一括借り上げ(サブリースなど)を利用している割合は2割になります。すべてを自分で管理している方も全体の1/4を占めています。

 

不動産投資家の職業一般雇用者(サラリーマン)28.4%(最多)
個人の経営専業23.4%
自営業(農業を除く)13.0%
賃貸経営専業(法人)9.7%
賃貸物件の取得方法以前からの所有地に新築38.7%(最多)
相続・譲渡25.0%
賃貸住宅を購入 20.0%
新たに土地を取得して新築15.3%
賃貸物件の管理形態管理委託(一部含む)54.7%(最多)
自主管理25.0%
一括借上げ(サブリース等)20.3%

公益財団法人 日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査」(令和元年 6 月発表)より抜粋

不動産投資家が利益をあげる方法とは?

不動産投資家とは不動産に投資をする人です。取得した不動産を貸し出して賃料を得たり、購入した不動産を後で売却して利益をあげたりします。
「不動産投資家」と呼ばれる人たちは、皆が同じスタイルで投資しているわけではありません。どこから利益を得るのか、本業なのか副業なのか、所有する不動産の形態が何であるかなど、投資家それぞれの考え方や属性などによって色々なタイプの投資スタイルがあります。

不動産投資家が利益を得る方法

不動産投資の利益は「インカムゲイン」か「キャピタルゲイン」に分けることができます。

「インカムゲイン」

「income=所得」で「gain=得る」、つまり、資産を保有している間に得られる利益のことです。たとえば、銀行へ預けた普通預金の利子や株式の配当金もインカムゲインといえます。不動産投資の場合は、マンションやアパートなど不動産を賃貸することによって得られる家賃収入がインカムゲインとなります。このインカムゲインを重視する不動産投資家は多数であると言われています。

「キャピタルゲイン」

「capital =資本」で「gain=得る」、つまり、株式や不動産など資産価値の上昇により得られる利益のことです。購入したときの価格より売却した価格が高く、差額が利益となる場合です。不動産投資家の中には、このキャピタルゲインで一攫千金を狙うなんていう方もいるようです。売却した価格の方が低く、差額が損失となる場合は、キャピタルゲインは失敗したということになり、キャピタルロスといいます。

所有する不動産の形態

大きく分けて、「区分所有」「一棟所有」「戸建て投資」と3つに分けることができます。

「区分所有」とは、マンションなどを部屋単位で所有し賃貸を行うことです。初期投資が少なく済む分リスクが低いと言われているため、不動産投資の初心者にもおすすめの方法です。

「一棟所有」とは、マンションやアパートなどを丸ごと一棟所有し賃貸を行うことです。区分所有と比べると、初期投資の負担は大きく、マンションを一棟所有する場合は、1億円以上かかる場合もあると言われていますが、大きな問題がなく運用がうまくいった場合を比較すると、区分所有よりも資産形成のスピードが速いといわれています。一棟所有の方が区分所有に比べ資産価値は大きくなりますから、同期間で得られる利益も大きくなり、資産が増えていくペースが速いというわけです。そのため、資産を早く増やしたい人におすすめの方法であるといえるでしょう。

「戸建て投資」とは、一戸建てを所有して賃貸を行うことです。地域によっては、300万円前後のものもあり、少額で始められるのが魅力です。リノベーションの幅が広かったり、戸建て住戸を選ぶ人が増えていることなどから、最近では、国内の不動産にとどまらず、海外の不動産にも目を向け投資する海外不動産投資も注目されています。

不動産投資家になるためには何をすればいい?


これから不動産投資家を目指すには、どうしたらよいのでしょうか。何から手をつけていけば良いのか確認していきましょう。

資金を貯めつつ勉強をする

まずは、初期費用を準備しましょう。
当たり前の話ですが、初期費用がなければ投資はできません。先ほど述べたとおり、不動産投資の場合、自己資金プラス融資によって初期費用を用意することになると思います。自己資金がゼロでも、フルローンで融資を受けられる場合もありますが、のちに返済で苦労するケースもあります。自己資金はしっかりと貯めておくべきでしょう。

投資計画:投資の金額と目標を決める

次に、投資計画を立てましょう。
大まかに、資金計画と収支計画を立てるとよいでしょう。自己資金と金融機関からどれくらいの融資を得られるか、またどれくらいの期間でいくら収益をあげたいかなどで、どんなタイプの物件に投資するかが見えてくるでしょう。具体的な数字を出して試算することにより、どのくらいの利益が見込めるか実感をすることができます。

物件探し

まずは、インターネットの不動産情報サイトをチェックしましょう。ネット上には多くの物件が掲載されていますし、投資物件を専門に扱うサイトもあります。希望のエリアや価格帯、利回りなどの条件で絞り込んで検索したり、条件を登録しておけば新着物件をメールで知らせてくれたりするサイトもあります。
実際に気になる物件があれば積極的に現地に見に行くと良いでしょう。1つだけではなく、出来れば多くの物件を見に行く事でどこに注目すべきなのかも見えてきます。
物件のターゲットによってどのようなエリアを選ぶかは異なりますが、入居者が必要としそうな施設が物件周辺にあるのかを含めてしっかりとチェックしましょう。

ローン審査・購入

全額自己資金で購入する場合を除いて、金融機関から融資を受けて投資を行います。金融機関は、属性と物件を評価して融資審査を行います。
金融機関でも、メガバンク、地銀、信用金庫、日本政策金融公庫など色々な選択肢があります。
メガバンクは貸出金利が低めですが、上場企業勤務で年収が高いなど審査基準が厳しい傾向があります。
地銀はメガバンクより金利が若干高めですが、融資基準が比較的柔軟です。
信用金庫は、地域の繁栄を図る目的で運営されています。営業エリアに物件やお住まいがあれば他の銀行では属性や物件評価で融資が出なかった場合でも受けられる可能性があります。ただし、地銀よりも若干金利が高めに設定されています。
日本政策金融公庫は賃貸経営の事業性が評価されるため、他で断られても融資が受けられる可能性があります。金利も低く高齢者や女性でも融資が受けやすいのですが、融資期間が短く10年~15年となっています。
このように融資銀行にも様々な特徴がありますので、ご自身の属性や物件の所在地などで銀行も使い分けると良いでしょう。
豊富に融資実績がある不動産業者では提携している金融機関があり、優遇金利で融資が受けられる場合もあります。

管理会社を選ぶ

不動産を購入した後は、賃貸経営が始まります。一般的に賃貸経営では、以下のような業務の発生が考えられます。

  • 入居者の募集(契約更新)
  • 家賃徴収業務(遅延や滞納した場合は督促)
  • クレームやトラブルの対応
  • 建物の定期的な修繕(外壁塗装やエレベーター修繕など)
  • 退居の際の手続きやメンテナンス(リフォームorクリーニング業者への手配など)
  • 家賃収入の確定申告

自主管理をする場合

自主管理の場合は入居者の募集をお願いする賃貸仲介業者を選びます。入居者の募集や契約更新に関しては自主管理の場合でも不動産業者へ依頼することになります。

管理業務を委託する場合

管理業務を委託する場合は、管理委託費を支払い、一部、または全ての賃貸業務管理会社へ業務を委託します。委託に掛かる費用は、賃料の3%~7%程度になります。メリットは手間がかからないので本業に影響がなく運営できる点ですが、デメリットは管理会社への委託費分だけ利益が減るという点でしょう。
居住地から離れている物件では、管理業務を委託し、居住エリア内の物件は自主管理にする、また、築古物件や家賃が低くトラブルの多そうな物件は委託し、新築物件は自主管理など、使い分けても良いでしょう。

一括借り上げの場合

近年問題となったサブリースの場合は、家賃の15%~20%分は管理業者側に支払う形になります。空室でも賃料が一定額保証されるのは大きなメリットですが、敷金や保証金・礼金などは業者が受取るため、デメリットも大きいと言えます。また、契約内容が2年ごとに見直されるため家賃が下がる可能性もあります。サブリースを選ぶ場合は、業者の選択を慎重にするべきでしょう。

不動産投資のメリット


不動産投資家になるとどのようなメリットがあるのでしょうか。主に以下のようなメリットが挙げられます。

  • 安定した収入が得られる
  • 税金対策ができる
  • 初期費用を抑えられる
  • 管理が委託できる

安定した収入が得られる

不動産投資以外に「投資」というと、株式やFX、最近では仮想通貨といったものも挙げられると思います。まとめて金融資産といいますが、金融資産の価格は大きく変動することがあり、得られる利益も不安定になりがちです。
最近で言うと、2017年から2018年に「仮想通貨バブル」と呼ばれる現象が起こりました。連日ニュースでも取り上げられていましたので、記憶されている方も多いのではないでしょうか。たとえば、仮想通貨の代表的存在であった「ビットコイン」の価格は、2017年の初めには10万円程度でしたが、一時期200万円以上に急騰しました。このような仮想通貨の価格の急騰により、億単位の資産を築いた人たちも沢山でてきました。「億り人」(おくりびと)なんて言葉もブームになりましたね。しかし、2018年に入ると価格は下落を続け、2018年末にビットコインは40万円を切りました。現在は、95万円前後と一時期よりは回復しているようですが、それでも200万円以上の価格をたたき出していた頃と比べてしまうと、かなり価格が下がったことになります。
このように、大きな利益を得られる可能性がある反面、大きなリスクも背負っている金融資産と比べると、不動産の家賃収入は一定の収入が長期間見込め、リスクが比較的高くないのがメリットでしょう。
金融資産のように短期間で何倍もの利益を出すこともありませんが、短期間で利益が何十分の1になることもありません。
また、年単位で部屋を借りる人が大多数であるため、急に空き室になってしまったということも、そう多くはないでしょう。
長きに渡って安定した家賃収入が得られる不動産投資は、退職後の収入源として有効活用する方も多くいらっしゃるようです。

税金対策ができる

不動産投資で得られた利益は収入となりますから、当然、所得税や住民税など税金が課せられます。しかし、多くの費用を経費として計上することによって、税金を減らすことはできます。たとえば、不動産の購入にローンを組んだのならば、そのローンの金利、固定資産税、減価償却費、さらには、交通費や交際費など・・・物件の運営に関わる費用はすべて経費とすることができます。
また、贈与税や相続税の対策にも不動産は適しているといわれています。これらの税金は、移転される財産の評価額に対して課されるのですが、土地は売買取引時価のおよそ70%~80%といわれる路線価、建物は売買取引時価の60~70%といわれる固定資産評価額で評価されます。そのため、1億円の現金を相続するよりも1億円の不動産を相続する方が、税金が安くなる可能性が高くなるのです。
これらは、不動産投資ならではのメリットといえるでしょう。
また、株式などでも同じですが、不動産投資で赤字になってしまった場合も損益通算を使うことができます。不動産所得における赤字を他の所得の黒字と相殺することによって、課税所得を目減りさせる方法です。減価償却費をあえて大きく見積もることによって赤字を出し、損益通算を使う不動産投資家もいるといわれています。

融資により初期費用が抑えられる

金融資産への投資は、基本的には自己資金を活用することによって行います。株式やFXのために融資は受けることができません。しかし、不動産投資であれば、金融機関から融資を受けることができます。つまり、自己資金が少なくても、他人資本を用いて大規模な投資をすることが可能であるということです。
また、先ほど述べましたが、所有する不動産の形態によっては初期費用が少なくて済むものがあります。
つまり、不動産投資は、工夫次第で初期費用を抑えることが可能であるといえるでしょう。

管理が委託できる

入居者の対応や家賃の回収、クレーム処理など煩雑で大変なことは、不動産の管理を不動産管理会社へ委託することによって解消することができます。手数料はかかりますが、面倒な手間を省けるのは大きなメリットであるといえるでしょう。

不動産投資のリスク


不動産投資は株やFXと比較すると高くはないとはいえさまざまなリスクがあります。不動産投資におけるリスクについてみていきましょう。

空き室のリスク

不動産投資にとっての最大のリスクといえるでしょう。入居者がいなければ、家賃収入はありません。入居者がいない部屋も管理費はかかります。空き室になってしまうと、収入がゼロの状態で管理費だけがかかり続けるという状態になってしまうということです。

建物老朽化のリスク

特に中古物件で気をつけなければならないのが建物の老朽化、修繕費の問題です。新築と比べると、初期費用を抑えることができますが、耐久性に問題がある場合は修繕しなければなりません。また、耐久性に問題はなくても、建物の老朽化は、先ほど述べた空き室のリスクにもつながります。中古物件に投資する場合は、想定外の修繕費がかさみ利益を圧迫してしまわないよう気をつけましょう。

金利上昇のリスク

不動産投資をする場合、そのほとんどの方が融資を活用して行うと思いますが、融資を受ける以上、ローンの金利にもリスクがあることを知っておく必要があります。変動金利の場合は金利上昇により返済金額が増加するリスク、固定金利の場合は比較的高い金利で固定されてしまうリスクです。現在の日本では、長く金利が低い状態が続いていますが、今後どのように変わっていくかはわかりません。金融政策や景気動向などに目を配っておく必要があるでしょう。

流動性リスク

流動性リスクとは、売買が極端に少なくなることにより取引が成立しなくなり、売りたいときに売れなくなってしまう可能性のことをいいます。
これは、株式など金融資産への投資においても同じことがいえます。何かしらの売買を行う場合は、この流動性リスクは必ずついて回ると思っておいたほうがよいでしょう。
不動産における流動性リスクとして考えられるのは、価格をかなり下げなければ売れない、もしくは、売ることができずに維持費ばかりがかかり続けるということです。不動産投資市場が落ち込んでいる時期などには、全く売ることができずに「塩漬け」状態となるリスクがあるということをわかっておくとよいでしょう。

不動産投資での失敗談や失敗の原因と対策については以下の記事もあわせて参照ください。

まとめ

不動産投資は、元々の土地所有者だけでなく、サラリーマンや公務員で兼業として行っている方も多くいます。不動産投資を始める際は、まずは自分と似ている投資家のスタイルを参考にしてみてもよいでしょう。ただしすべて真似をするのではなくご自身の価値観や目的に合わせて、何を重視し、何を妥協するか、その判断を的確に行うことが、不動産投資家として成功するか否かのポイントとなります。そのためには、多方面からの情報収集を欠かさず、常に好奇心を持って自ら行動していくことが重要であるといえるでしょう。