中古マンション売却査定のポイント(6) 中古マンション売却の費用

売却の流れと基礎知識

中古マンション売却にかかる費用

 

中古マンションを売却する場合,以下の費用が発生しますので,ご説明します。

印紙税


マンションを売却する際,買主との間で売買契約書を作成しますが,契約書には「印紙税」という税金がかかります。
税率は売却価格によって異なりますが,売却価格が1000万円超~5000万円以下であれば1万円,5000万円超~1億円以下であれば3万円です(平成32年4月1日以降,変更される可能性あり)。

住宅ローンの一括繰上返済手数料


中古マンションのローンが残っている場合,売却に当たって残債務を一括で返済する必要があります(理屈としてはローンが残っていても売却は可能ですが,抵当権がついているマンションを購入する人はいないからです。)。
一括繰上返済の手数料は金融機関によって異なり,借入時期,残存期間,返済手続の方法によってまちまちですが,数千円~2万円程度でできるのが通常です。

登記に関する費用


ローンを組んでマンションを購入した場合,マンションには抵当権が設定されています。金融機関に残債務を返済し,抵当権を抹消する際「登録免許税」という税金がかかります。
抵当権抹消登記の登録免許税は不動産1個につき1000円です(ですので,1筆の土地上に建っているマンションの1室であれば,建物と土地分で2000円です。)。
また,抵当権抹消登記を司法書士に依頼する場合には,司法書士に対する報酬が別途発生します。
報酬は,依頼する司法書士によって異なりますが,1~3万円程度が相場です。
なお,売却に伴いマンションの所有権移転登記をする際の登録免許税や司法書士への報酬は,買主が支払うのが取引慣行ですので,基本的には売主が支払う必要はありません。

仲介手数料


費用が一気に高額になるのは,中古マンション売却の仲介を不動産業者に依頼した場合に業者に支払う仲介手数料です。
仲介手数料は売却価格によって異なりますが,売却価格が400万円超の場合,『物件価格×3%+6万円』(消費税別)が法律上の上限です。
ですので,例えば,消費税が8%の時に中古マンションを3000万円で売却した場合には,最大で『103万6800円』(97万2000円(3000万円×3.24%)+6万4800円)を仲介手数料として支払うことになります。
仲介手数料は業者によって異なりますが,いずれにしても高額な費用です。
中古マンションを売却するに当たっては,通常,複数の不動作業者に査定を依頼すると思いますが,査定をしたそれぞれの業者の仲介手数料はどうなっているのか,確認しておきましょう。

譲渡所得税


中古マンションが買った価格より高く売れて利益が出た場合,「譲渡所得税」という税金を支払う必要があります。
ただし,売却したマンションがマイホーム(居住用物件)であった場合,譲渡所得から最高3000万円まで控除ができる特例があります。
この特例を受けるためには,過去2年以内に同じ特例を受けていないことや,実際にマンションに住んでいること(少なくとも3年以内まで住んでいたこと)などの条件がありますが,利益が出た場合には是非活用したい特例です。
一般的に自宅マンションについて購入価格から3000万円以上の利益が出ることは稀でしょうから,譲渡所得税を支払うことはあまりないでしょう。

これらの各費用は,査定を依頼する段階でほぼ確定することができます(売却価格を基に決定される費用が含まれていますが,売却価格は通常査定価格よりも高額になることはありませんので,最高いくらかかる,ということは査定時点で確定できます。)ので,査定時点で,最終的に何にいくらくらいかかるのか,しっかり把握し,備えておきましょう