相続した土地の相続税対策は?自分の持分だけ売却はできる?

相続した不動産売却のポイント

土地の活用法 相続税対策編


 被相続人が亡くなると、相続が開始となり、複数の相続人がいる場合、遺産分割協議がおこなわれ、遺言書がない場合は、法で決められたとおりに、相続財産を分けることになります。
 相続財産の半分以上を占めるのが、マンションなどの不動産です。マンションなどの不動産は、現金や株式などの金融資産と違って、不動産が何であるかによって、相続財産としての価格が変わってきます。そうなると、相続の際に一番安く評価されることで、相続税を少なくすることになるのです。
 では、どのようにすればよいのでしょうか?
 まずは、一般的によく活用されているのが、賃貸住宅の経営です。土地をそのままで所有しているより相続価格が低く評価されます。また、賃貸経営なので、マンションの部屋を貸すわけですから、毎月決まった家賃収入が入ってきます。相続を心配する年齢ということは、高齢になった方が多いので、収入としては年金だけということが多いと思われます。賃貸経営をすることで、年金にプラスして収入が得られることは、ふだんの生活にもゆとりをもつことができます。
 土地のまま更地の状態で土地を保有している場合は、毎年固定資産税が1.4%課税されます。もし、この土地に6戸の居住用賃貸マンションを建てたとしましょう。そうすれば、小規模住宅用地の特例制度を利用することにより、固定資産税が6分の1に減ることになるのです。固定資産税というのは、所有者に対して、毎年課税される税金です。もし、更地で土地を所有しているだけなら、毎年固定資産税を払うだけとなりますが、賃貸マンションを経営することで、土地の固定資産税を下げることができ、収入も得ることができます。ただし、収入というのは、そのマンションに居住してくれる人が支払う家賃が発生するからです。マンションを建てる場合に、銀行から融資を受けてたくさんのローン返済をしなければならないと、収入が増えるどころか、支払い費用が増えてしまっては、まったく賃貸マンションの経営の意味がありません。
 上手に経営できれば、いいことづくめですが、失敗すれば、土地を失ってしまうことにもなりかねません。ですので、節税対策として紹介はいたしましたが、経営はしっかりと検討してから判断してください。

相続した自分の持分の売却


 土地は所有することができ、所有権というのは、所有する権利のことをいいます。
土地は、何人かと共有して所有することができるため、所有権に対する持ち分をもつことになります。マンションなども、共有地がありますよね。
 ですので、相続などで、土地を共有することにした場合は、持ち分割合を決めて、土地を登記することができます。その土地は共有された土地となります。
 現金などは分けられるため、例えば相続財産が1000万円あったとして、4人の相続人で分割することになったのであれば、1人250万円ずつ分割すればよいわけです。
 しかし、土地の場合は、そう簡単に分割はできないので、共同相続人で相続分に応じて持ち分割合によって共有することができるのです。
ただ、共有した土地は、共有者のうちの誰か売却したいと思っても、共有者全員が売却に同意しなければ、勝手に売却することはできません。
 しかし、自分の持ち分だけを第3者に売却することは可能です。自分の持ち分なので、他の共有名義になっている人の持ち分を侵害するわけではないので、同意を得る必要もありません。しかし、この自分の持ち分だけを売却することができたとしても、その持ち分を買う人はいるのでしょうか?現実的には、何か特別な理由がないかぎり、ほぼないといっていいでしょう。ですので、現実的には、共有者全員が同意をしたうえで、売却することになります。
 共有している土地の持ち分を売却することは、現実的にはむずかしいですが、自分の所有している土地の持ち分を文筆して売却することもできます。この場合は、共有している土地に境界線を引くことで、実際に土地を分けることになります。この場合も、自分の持ち分を売却するため、共有者の同意を得る必要はありません。しかし、また文筆も問題があって、どこに境界線をひくかが問題になります。ひとつの土地といっても、全く同じ価値ではなく、やはり、土地の場所によって差がでてきてしまいます。
 結局、方法があったとしても、現実的ではないため、トラブルになる可能性があるのであれば、マンションなどの不動産は、売却して現金にしてから分割するほうがよいかと思います。

マンション査定


 相続財産のうちの半分以上は、マンションなどの不動産が含まれていることが多いと何回かお話ししました。このマンションなどの不動産に、相続した後も、そのまま住むのであれば、売却について特に考える必要はありませんが、相続した不動産に住まないのであれば、相続後に所有するだけで、固定資産税がかかりますし、マンションであれば、管理費もかかってきます。もし、住まないのであれば、売却した場合、どれくらいの価値があるのかを事前に査定してもらっていた方が安心でしょう。
 査定をおこなう会社はたくさんありますし、最近はインターネットが普及しているので、WEBから簡単に査定依頼をすることもできます。
 基本的には、マンションなどの不動産を売却する場合は、自分で購入者を見つけない限り、不動産会社に依頼することになるかと思います。不動産会社もいろいろなタイプがあるため、事前に探しておくと、いざ売却したいときに、スムーズになるでしょう。
 査定会社は何社かに依頼することで、だいたいの査定金額を知ることができます。最近は、査定会社ごとに1つ1つ入力しなくても、一回の入力で何社にも一度に査定できるようになっています。旅行会社や保険なども、そういったサイトが多く存在しますよね。
 基本的に、査定価格は、成約事例や市場動向などのデータをもとに、査定価格を算出します。そのため、査定会社によって、それほど大きな価格の差は生まれにくいかとは思います。取引が多いマンションの場合は、たしかにあまり差がないかもしれませんが、土地や一戸建などの不動産の場合は、市場データの分析方法が各社異なることもあるので、差が出る可能性があります。あまり高い金額を査定してきても、売却できなくては困りますので、実際に売却を依頼する場合は、WEB等で査定をした後に、どこで査定をするかを決定し、実際に売却する予定のマンションなどの不動産を現地で見て査定してもらうことをおすすめいたします。