空き家となった実家の雑草対策はどうしたらいい?雑草が迷惑な空き家がある時の対処法

相続した不動産売却のポイント

不動産売却一括査定「イエイ不動産売却査定」

空き家を相続しても離れて住んでいる場合は頻繁な管理が難しいため、勝手に生える雑草に頭を悩ませている方も多いでしょう。今回は空き家の雑草対策について不動産会社スマートアンドカンパニーが解説します。また、近隣に雑草が生い茂った迷惑な空き家がある場合の対処法についてもお伝えします。

空き家の雑草対策方法 実家を相続したらやるべきこと

定期的な雑草刈り

空き家は放っておくとあっという間に雑草だらけになってしまいますので定期的な除去が必要です。

刈り取る時期は、雑草の成長が活発になる夏前、勢いが弱まる冬に入る秋口、雑草が枯れる冬の年3回行うのが理想的です。

離れた場所にいて手が掛けられない場合でも、少なくとも年1回は刈っておくべきでしょう。1回しかできない場合は、梅雨明けして晴天が続いた夏前がベストです。草刈りをした後で雨が降ると成長が促進されまたすぐに丈が伸びてしまうためです。出来れば雨がしばらく降らない日を選んで草を刈り取るのが最も効果的です。

 

■費用の目安

自分で刈るのが最も費用が掛かりませんが、手間や体力が必要です。

空き家が遠方にある場合は交通費よりも業者に依頼した方が安価に済む場合もあります。業者に草刈りを依頼する費用の目安は、業者にもよりますが作業代として1㎡あたり1,000円から2,000円程度となります。さらに雑草の廃棄費用が必要となります。

ただし、業者に依頼した場合は見積もり時に立会いが必要な場合もあります。また作業が終わった後の仕事の仕上がり具合などを確認しておく必要もあるでしょう。

雑草の生えにくい環境を作る

雑草の処理として基本的なものは草刈りですが、前述の通り生えたら刈るといった毎年の定期的な除去が必要となります。離れて暮らしていて頻繁に手間を掛けられない場合は、費用が掛かりますが、以下に紹介する雑草を生えにくくする環境作りを行うことで定期的な雑草刈りの手間を解消することができます。

雑草を生えにくくするためには、雑草の根まで取り去った状態にしてから土の保護処理をして新たな雑草の発生を抑えるというのが基本的な流れになります。方法はいくつかありますので、費用や手間、メンテナンスのしやすさなどを踏まえて検討してみて下さい。

 

手順1:雑草を根まで除去する

方法(1)草むしり

雑草を生えにくくするには根っこまで抜いてしまうのがベストです。雑草は根っこが残っていると上を刈ってもすぐに成長してしまうためです。10cm程度であれば手で抜けますが、大きく育ってしまった雑草はなかなか抜けないためスコップなどで土を掘りながら抜きます。

 

方法(2)除草剤の利用

根まで取り去る草むしりは時間がかかりますし、何より根気や体力が必要な作業です。手早く除草してしまいたい場合は薬剤を利用する方法もあります。

除草剤は草を枯らす効果のある薬剤です。

非常に多くの種類がありますので生えている雑草の種類や用途に合わせて使い分ける必要があります。薬剤は、大きく分けて2種類あります。

 

・液剤タイプ

生えている草をすぐに枯らすタイプです。効果は持続しないため新たに生えてくる雑草には効果はありません。

・粒剤タイプ

即効性はありませんが、土に巻いておくとおよそ1週間程度で徐々に枯れていきます。新たに草が生えるのを防止したい場合に効果があります。商品にもよりますが効果は3ヶ月から半年持続します。

 

■除草剤の費用

除草剤に含まれる薬品の種類や量によって価格が異なります。

一般的に農地でも使用出来るタイプの液剤は希釈して使用するため広い面積に散布でき、5Lで5,000円台から1万6,000円台となります。農地には使用出来ない液剤は希釈せずに撒くタイプが多く、5Lで3,000円台程度です。

粒剤の価格は1kgで1,000円から2,000円程度となっています。散布する量は製品によって異なりますがおよそ1㎡あたり5~40gくらいです。

プロの業者に依頼する場合には、㎡あたり300円~となるでしょう。ただし雑草が伸びている場合は草刈り代や刈った草の処分代などが別にかかります。

 

■除草剤を使用する場合の注意点

・隣地が農地の場合は使用出来ない除草剤がある

空き家の隣地が農地の場合は、使用出来る薬剤に制限があります。知らずに農地に使用出来ないタイプの薬剤を散布してしまうとトラブルになりますので注意が必要です。

・急傾斜地での使用は注意が必要

空き家の土地に急な斜面があり、隣地の方へ下がっている場合は使用しない方がいいケースもあります。斜面の土の崩壊を雑草の根が防いでいる場合があり、除草剤を使用してしまうと土壌が流出してしまう危険性があるためです。

手順2:土を保護する

雑草の根まで取り去って処理した後は、雑草の種が飛んできて新たに発芽しないように土を保護します。

土を保護する方法(1)防草シートの利用

防草シートは雑草を取り除いた後の地面に設置します。ポリエステルなどの遮光性のある布で出来ていて、太陽の光を遮ることで雑草の生育を抑えるものです。除草剤などを使用した後で防草シートを併用することで、雑草の発生を長期間防ぐ効果が期待出来ます。

 

■防草シートの注意点

・火気に注意

防草シートに煙草などが落ちてしまうと部分的に溶けて穴が空いてしまう可能性があります。燃え広がって火事になる心配はありませんが、溶けて劣化した部分から雑草が生えやすくなります。 

 

・施工が向かない場所がある

水に浸かりやすい場所は、泥などが溜まりやすいため、種が飛んできてシート上で発芽する可能性があります。一時的にでも水に浸かる場所に施工するのは避けた方が良いでしょう。また、45度を超すような急な斜面は、土手の崩壊や、重みでピンが抜けたりなどの危険性があるため施工しない方がいいでしょう。

 

・耐用年数がある

一度シートを施工すれば半永久的に効果があるわけではありません。シートの耐用年数は5年から10年です。また部分的に劣化して穴が空いたり、剥がれたりするとその部分から雑草が生えてしまうことがあります。

 

■防草シートの費用

シートの種類や性能により価格は異なります。目の粗い織布は織り目から雑草が突き抜けて生えてしまうため不織布の方が雑草対策にはより効果が高くなります。シート自体の費用は織布で㎡あたり100円台から300円台ほど、不織布では300円台から800円台となります。

また、シートの上に砂利を敷くとより防草効果が高まります。上に砂利を敷く場合は3cm以上の厚みがあると良いでしょう。砂利の価格は種類によって異なりますが、10リットルで300円前後となります。例えば3cmの厚みで砂利を敷く場合は1㎡で30リットル必要となりますので1,500円程度かかる計算です。

 

土を保護する方法(2)防草土の利用

防草シートの代わりに防草土を利用する方法もあります。防草土は、水をかけるだけで固まるため、土の質感を残しつつ雑草を抑制する効果があるものです。コンクリートよりも施工が簡単で、ホームセンターなどで簡単に手に入れる事ができます。耐用年数はシートとほぼ同じで5年から10年です。

 

■防草土の注意点

・劣化しやすい

強度が弱いため、年月が経って劣化してくると部分的にへこみやひび割れが目立つようになります。

 

・水はけが悪くなる

雨水は浸透していきますが、長い時間雨が降り続いた場合などは排水が追いつかず水たまりが発生しやすくなります。自分でも施工できる手軽さはありますが、勾配など排水を考えて施工する必要があります。

 

■防草土の費用

少なくとも3cm程度の厚みで敷き詰める必要があります。1㎡あたり40kg程度の土が必要です。土もメーカーによって値段が異なりますが1㎡でおよそ4~5,000円程度となります。

空き家を相続したら雑草対策しないといけない理由

雑草の処理や対策は費用も手間もかかります。空き家を相続したものの、遠方に住んでいて管理がなかなか行き届かないケースもあるでしょう。しかしながら所有したからには雑草の処理を含めて空き家を放置せずに適切に管理をする必要があります。理由は放置してしまうと以下に挙げるようにリスクが発生する可能性があるためです。

 

・建物が劣化する

人が住まなくなった空き家は劣化が進むのが早くなります。さらに雑草を放置してしまうと、湿気がこもりがちになり、建物の外壁の腐食が進んでしまう原因となりかねません。

また、伸びた雑草によって基礎部分の通気口が塞がれてしまうため、床下の湿気が排出されなくなり、基礎部分などの劣化が進む要因ともなります。

建物の劣化が進むと壁が崩れたり最悪の場合は家が傾いたりする原因となります。近隣に被害を与えてしまう危険性があるため、所有者は費用を掛けて建物を補修したり解体したりしなければいけなくなります。

 

・近隣に迷惑がかかる

雑草が生い茂った庭は虫が発生しやすくなります。

また、放置された荒れた空き家にはゴミの不法投棄が行われたり、不法侵入者が住み着いたり、最悪の場合は放火されたりなど治安の悪化にも繋がりますので、近隣の住民に迷惑を掛けてしまうことになります。

 

・放置すると行政指導も

適切に管理されていない空き家は、空き家対策特別措置法により自治体が所有者に対して指導、勧告などの行政指導や、改善されない場合に命令を出すことが出来るようになっています。改善されていないと判断されると、建物が建っている土地にかかる固定資産税の特例が受けられなくなり固定資産税額が高くなる可能性があります。さらに行政代執行が行われると、所有者に掛かった費用が請求されることになります。

補足:適切に管理されていない空き家とは?

2015年に施行された「空き家特別措置法」では以下のような空き家を「特定空き家」として、行政が所有者に対して適切な対応を求める事が出来るようになっています。

 

(イ) そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

(ロ) そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

(ハ) 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

(ニ) その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
国土交通省「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針 より

 

 

雑草に迷惑している空き家がある時の対処方法

所有者に連絡

隣地が空き家で雑草がひどく迷惑している場合は、まずは所有者へ連絡を取って適正な対応をお願いしましょう。

空き家の所有者が分からないケースも多いかも知れません。土地や家屋の所有者は、法務局で土地・建物の登記情報を取得すれば調べる事が出来ますが、所有者が死亡した後相続後に登記事項を変更していない場合もあります。その場合も、諦めずにご近所の方に確認してみると、連絡先を知っている方がみつかるケースもあります。

 

自治体の窓口に相談

自分で調べても所有者と連絡する手段がない場合は、自治体の窓口に相談しましょう。空き家措置法が施行されたことで、近隣からの苦情が多く適切に管理されていない空き家は行政が適切な対応を所有者に求める事が出来るようになっています。

相続した空き家の雑草管理に困ったら売却も検討する

雑草が生えないように対策をしてしまえばそれで安心というわけではありません。

雑草の問題以外でも家屋の状態や周辺に迷惑をかけていないかなど、1年に1度以上は空き家に問題がないか定期的に点検する必要があります。

手間を掛ける余裕がない、管理ができそうにない空き家は、放置して近隣に迷惑を掛けたり行政の指導を受けたりする前に売却を検討した方がいいでしょう。

築年数が経った空き家は仲介で売却しようとしてもなかなか買い手がつかない心配があります。仲介では売却しにくい古い空き家は、買取業者による買取を検討してみましょう。

買取業者も様々ありますので中には一般的には売却しにくい問題ある不動産でも積極的に買取ってくれる業者があります。そういった業者は、築年数が古い空き家を買取った後、きちんと活用できるノウハウを持っています。古い空き家は買取専門の業者に買取ってもらえれば最短1週間で現金化することも可能です。

 

1都3県で売却が難しい空き家の場合は、弊社にお任せ下さい

スマートアンドカンパニーでは空き家の買取をしております。

空き家にたくさんの荷物がそのままになっている、旧耐震基準の建物であるなど、空き家に問題があっても条件が合えばそのまま買取ります。

1都3県で空き家の管理にお困りの場合はスマートアンドカンパニーにご相談下さい。

 

まとめ

・空き家の所有者は定期的な草刈りや雑草を生えにくくする処理など空き家を適切に管理する必要がある
・雑草を処理しないで放置すると空き家の劣化が進む原因になる

・近隣に迷惑がかかるような放置空き家は行政から改善を求められる

・管理が難しい空き家は売却を検討した方がいい

タイトルとURLをコピーしました