不動産売却で仲介手数料無料は危険?無料になるのはどんなとき?

不動産会社の選び方

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執筆:株式会社スマートアンドカンパニー 編集部(収益物件の買取・再販)

最終更新:2026年8月29日。仲介手数料の上限規定は宅地建物取引業法および国土交通省告示に基づきます。

不動産売却で売買が成立すると、仲介した不動産会社には仲介手数料が入ります。不動産仲介業者にとって仲介手数料は重要な収入源です。しかし、中には「仲介手数料は無料」を謳っている不動産会社も見かけます。査定価格は他社と変わらないのに仲介手数料が無料だとお得に感じる一方、「何か裏があるのでは」と不安になる方もいるでしょう。この記事では、仲介手数料が無料になる仕組みとその際に注意すべき点、購入時に無料になるケース、仲介手数料の法律上の上限ルールについて解説します。

  • 不動産売却で仲介手数料が無料になる仕組みと注意点
  • 不動産購入時に仲介手数料が無料になるケース
  • 仲介手数料の上限ルールと2024年7月に拡大された特例

不動産売却時に仲介手数料が無料なのは怪しい?

不動産売却時に仲介手数料が無料なのは怪しい?

売却時の仲介手数料無料は不動産会社の営業戦略

不動産売却時に仲介手数料が無料になるのは、仲介業者が自社で買主を見つけて買主側から仲介手数料を受け取ることで収入を確保しているためです。「売却の仲介手数料無料」を掲げて売り物件を確保したい、という営業戦略の一種といえます。

結果的に囲い込みにつながり売主にとって不利益の場合も

「仲介手数料無料」=お得と感じるかもしれません。しかし仲介業者は、売主の仲介手数料を無料にした場合、買主を自社で見つけて買主から仲介手数料を受け取ることで採算をとります。そのため、他社に知られて自社以外の買主に物件を買われてしまうと収入が入らなくなるため、「レインズ」(指定流通機構の不動産情報システム)への登録を後回しにしたり、広告や販売活動のエリアを狭めたりする「囲い込み」につながることがあります。結果として、物件の買い手が見つかりにくくなり、売主は買い手を根気よく待つか、早く売るために価格を下げるかの選択を迫られることになりかねません。

レインズの登録状況が気になる場合は、以下の記事で確認方法を解説しています。

レインズの登録内容は正しい?売主が確認する方法と必須チェックリスト

片手仲介と両手仲介の違い

仲介手数料無料の仕組みを理解するうえで、「片手仲介」と「両手仲介」の違いを知っておくと判断しやすくなります。

仲介の形態概要仲介手数料の受け取り元
片手仲介売主側の仲介会社と買主側の仲介会社が別々につく自社が担当する側(売主または買主)のみ
両手仲介1社が売主・買主の双方を仲介する売主・買主の双方

両手仲介では1社が売主・買主双方から仲介手数料を受け取れるため、片方の手数料を無料や割引にしても採算が取りやすくなります。仲介手数料無料を掲げる会社の多くは、この両手仲介の仕組みを前提にしていると考えられます。両手仲介が売主にとって不利に働く場合がある点は、以下の記事でも詳しく解説しています。

両手仲介とは?マンション売却で売主に不利な両手仲介を解説します

仲介業者は手数料無料だけではなく比較検討を

もちろん、仲介手数料が無料の場合のすべてが売主の不利益になるわけではありません。地元に強く買い手の情報を多数持っているなど、強みのある仲介業者もあります。ただ、マンションがなかなか売れず結果として売却価格を想定より低くすることになれば損をしてしまいますし、仲介手数料が無料というだけで業者を決めてしまうのはおすすめできません。囲い込みの可能性も踏まえ、複数の業者を比較検討したうえで、担当者の相性や会社の営業方針を実際に確認してから選ぶことをおすすめします。

不動産を購入するとき仲介手数料が無料になるパターンはある?

不動産を購入するとき仲介手数料が無料になるパターン

不動産売買では、買主側の仲介手数料が無料になるケースもあります。どのようなケースなのか見ていきましょう。

不動産会社が自社で保有する物件を売却するケース

不動産会社が自社で保有する物件(自社物件)を売却する場合は「仲介」という行為にならないため、仲介手数料自体が発生しないことが多くなります。インターネット掲載により営業の労力や手間を省けるようになったことで、仲介手数料を半額や無料にする業者も増えています。

別の名目で手数料を請求されるケース

仲介手数料は無料でも、「事務手数料」など別の名目で費用を請求し、実質的に手数料の穴埋めをする業者もいます。登記費用や銀行手続き・ローン手数料、火災保険の事務手数料などは実費として別途かかることがありますが、それ以外の根拠が不明瞭な請求には注意が必要です。契約内容や請求内訳は契約前にしっかり確認しましょう。

売却が難航している物件のケース

長期間売れ残っている物件など、仲介業者にとって利益が少なくても早く売却したい物件では、仲介手数料を無料にして成約を優先するケースがあります。買い手にとってはお買い得に感じられますが、修繕費や維持費が想定より高くつく可能性もあるため、物件の状態は事前にしっかり確認することが大切です。

不動産売却時に仲介手数料に関する基礎知識

不動産売却時に仲介手数料に関する基礎知識

仲介手数料は成功報酬

不動産会社(仲介会社)は、依頼された物件の買主を探し、契約を成立させた成功報酬として仲介手数料を受け取ります。個人で買主を探すのは難しく、売買契約書や重要事項説明書などの専門的な手続きも必要になるため、宅地建物取引士の資格を持つ担当者を間に入れるのが一般的です。

仲介手数料の上限ルール

仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法および国土交通省告示(昭和45年建設省告示第1552号)により、以下のように定められています。

■売買代金が200万円以下の部分にかかる手数料 代金の5%+消費税
■売買代金が200万円を超え400万円以下の部分にかかる手数料 代金の4%+消費税
■売買代金が400万円を超える部分にかかる手数料 代金の3%+消費税

売買代金が401万円以上の場合は、以下の簡易計算式で上限額を求められます。

仲介手数料の上限額 = 売買価格(税抜き)×3%+6万円+消費税

仲介手数料には上限が定められているため、提示された金額が上限の範囲内かどうかを確認しておきましょう。計算方法を知っていると伝えるだけでも、不当な請求の抑止につながる場合があります。

低廉な空家等の特例(2024年7月施行)

空き家や低価格帯の物件では、現地調査などにかかる実費の負担が大きくなりがちなことから、通常の上限とは別に「低廉な空家等」向けの特例が設けられています。令和6年6月21日の国土交通省告示第949号による改正で、この特例の対象と上限額が拡大されました。

区分対象となる売買代金仲介手数料の上限
改正前(令和6年6月30日まで)400万円以下(税抜)18万円+消費税
改正後(令和6年7月1日施行)800万円以下(税抜)30万円(税抜)+消費税=33万円(税込)

この特例は、通常の計算式では上限額が現地調査などの実費を下回ってしまうような低価格帯の物件を対象に、依頼者の一方(売主・買主のいずれか)から受け取れる報酬額を引き上げるものです。適用には媒介契約の締結前に依頼者へ事前説明し合意を得ることが要件となっているため、対象となるかどうかや実際の金額は、依頼先の不動産会社に確認することをおすすめします。

仲介手数料の無料・割引を掲げる不動産会社の例

仲介手数料の無料化や割引を打ち出している不動産会社も実在します。たとえばREDS(不動産流通システム)は、自社サイトで「仲介手数料が最大無料」であることを掲げています。前述の両手仲介の仕組みを前提に、買主側からの仲介手数料でも収益を確保できる取引形態で無料化を実現していると考えられます。ただし、無料・割引の条件や対象エリア、適用される取引の種類は会社ごとに異なるため、実際に依頼する際は条件を必ず確認しましょう。

まとめ

仲介手数料が無料だと喜んで依頼しても、囲い込みなどにより物件がなかなか売れず、結果として売却価格が下がってしまっては本末転倒です。仲介手数料無料の背景には、両手仲介を前提にした営業戦略や、自社物件の売却、別名目での手数料請求、売却が難航している物件の早期成約など、さまざまな理由があります。仲介手数料の上限は法律で定められており、低廉な空家等については2024年7月の改正で特例の対象・上限額が拡大されています。仲介手数料無料という言葉だけに惑わされず、複数の不動産会社を比較したうえで、納得できる売却を目指しましょう。

仲介手数料や対応方針は会社によって異なります。複数社に査定を依頼して、担当者の対応や条件を比較してみましょう。

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不動産購入時の仲介手数料についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

仲介手数料が無料の物件を購入する方法

よくある質問

仲介手数料が無料の不動産会社は信頼できますか?

無料であること自体が直ちに問題というわけではありません。ただし両手仲介を前提に自社で買主を見つけようとする結果、囲い込みにつながり売却が長引くリスクもあるため、レインズへの登録状況や販売活動の内容を確認したうえで判断することをおすすめします。

仲介手数料の上限はいくらですか?

売買代金が400万円を超える部分については代金の3%+6万円+消費税が上限の目安です。200万円以下の部分は5%、200万円超400万円以下の部分は4%+消費税が上限となります。

低廉な空家等の特例とは何ですか?

現地調査などの実費負担が大きい低価格帯の物件を対象に、通常の上限とは別に手数料の上限を引き上げる特例です。令和6年7月1日施行の改正で対象が売買代金800万円以下(税抜)に拡大され、上限は30万円(税抜)+消費税=33万円(税込)となりました。

仲介手数料以外に不動産売却でかかる費用はありますか?

登記費用や印紙税、ローン残債がある場合の抵当権抹消費用などが別途かかる場合があります。詳細は依頼する不動産会社や司法書士に確認しましょう。

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