中古マンション売却における直接買取とは?

売却の流れと基礎知識

不動産売却一括査定「イエイ不動産売却査定」

直接買取とは?

 

中古マンションを売却するときは、そのマンションを欲しがっている知り合いがいなければ、まず不動産会社に仲介をお願いするのが一般的です。
ところが、最近は大手の不動産会社から「直接買取します」というチラシがポストインされるようになりました。
「改めて直接買取します、と言われてもどういうことだろう?」
「仲介とはやっぱり違うのかな?」
「メリットとかデメリットも知りたい」
など、色々な疑問が湧いてくるかと思います。
そこで今回の記事では、「不動産会社による直接買取」について取り上げます。
あなたが中古マンションを売却する時に、仲介にこだわらず様々な手段を考える手助けになればと思います。
ではさっそく見てみましょう。

買取と仲介


まずは不動産取引の基本をおさらいしましょう。
中古マンションなどの不動産取引では額がどうしても大きくなりますのでウッカリ見落としてしまいがちですが、普通のモノの売買と同じです。

売却希望者と購入希望者が、中古マンションとお金のやり取りをすれば売買契約は成立します。額が大きいので売買契約書を用意しておくのが一般的です。
また、マンションの売買が行われたことを第三者に知らせるため、日本では所有権移転登記を行います。その後売主が買主に鍵を渡せば売買は完了です。

「では自分で中古マンションを売却しても良いんだね?」
とお考えのあなた、売却先の当てがあればもちろんOKです。
SNSが普及して自分から発信することへの心理的ハードルが以前よりもグッと下がっていますので、思い切って知り合い限定で「マンション買って」とお願いすれば、案外買い手がすぐに見つかるかもしれません。
ですがSNSでそんなことをすれば自宅など個人情報が流出するリスクが付きまといます。
第一、知り合い全員に断られることだってあります。

そんな時、あなたの代わりに購入希望者を探してくれるのが不動産査定会社です。
現在の日本で主流なのが、不動産査定会社に仲介を依頼する方法です。
仲介とは、不動産業者に売却したい中古マンションなどの不動産を価格査定してもらい、代わりに購入希望者を探してもらい、売買契約をまとめてもらうことです。中古マンションが無事売却できたら売主が仲介手数料を支払う媒介契約を結びます。
しかし売却希望者の立場から見ますと、
「売買契約の他に媒介契約も結ばないといけないなんて、面倒くさい」
「知らない人が何度も内見に来るのは煩わしい」
「なかなか買い手がつかないのも困る。早くまとまった現金が必要」
「近所の人に売却がバレても困る」
というような人も少なからずいます。

そこで、大手の不動産査定会社では豊富な資金力を活かして、中古マンションの売却を仲介せずに直接購入すると宣伝し始めました。それが直接買取です。

自動車を売却するときの下取りを思い浮かべていただくとイメージしやすくなると思います。不動産査定会社は中古マンションを買い取り、クリーニングやリノベーション後に他の購入希望者に売却するのです。
仲介の場合は手数料が不動産査定会社の収入となりますが、買取の場合は売却益が入ることになります。
以上が仲介と買取それぞれの概要です。
それでは買取についてもう少し掘り下げてみましょう。

買取の特徴


・すぐに現金化が可能
仲介の場合は売却する相手を探す必要があるため、売却できるまで数か月かかることが多いです。なかなか買い手がつかない中古マンションもあるほどです。

しかし直接買取では不動産査定会社が買主になるので、スムーズな売却が可能です。
相続した中古マンションを現金化して分割する場合や、次の住み替え先がすでに決まっていてローンが2つになってしまう場合など、現金化を急いでいる方にはオススメです。

・仲介手数料がかからない
仲介では中古マンションの売却が成功すると不動産査定会社に仲介手数料を支払う必要があります。買取では仲介する会社を介さないので手数料は発生しないのです。

・内見がない
仲介では価格査定の時だけではなく、条件の合う買主と出会うまで何度も内見をすることになります。中古マンションの売却の場合ですと、一人あたり平均2〜6件見て回るというデータもありますし、気に入ったマンションには時間を変えて何度も内見する人も。
住みながら初対面の人と応対するのは神経をすり減らしかねませんが、買取ではそのような煩わしさはありません。

・極力秘密にできる
中古マンションにお住まいの方なら経験があるかと思いますが、売却に出された部屋があると部屋番号の書かれた立て看板が週末の度に出てきます。

そこまで目立たなくても、内見希望者の訪問が相次ぐと売却することが近所の人に知られてしまいます。
買取の場合は内見が行われるのは売却が終わってからですので、転居の時に初めて売却されたことが分かることも少なくありません。

・瑕疵担保責任の免責
何十年も住んでいる場合はもちろん、築浅の中古マンションでも売却後に隠れた欠陥が見つかることがあります。これを不動産業界では「瑕疵(かし)」と呼びます。

瑕疵の語源は、一説によると美しい宝玉に傷がついた状態のことを指すとされます。つまり通常有すべき品質を欠いているという意味です。
昨年、シェア上位のメーカーによる耐震油圧式ダンパー性能偽装が明らかになったのは記憶に新しいですが、タワーマンションなどの中古マンションではそういうことも瑕疵に当たります。また、「住んでみたら騒音や異臭がした」ですとか、「購入後すぐに目の前の空き地の所有者が変わり、予定外に新しく建物が建ったので日が当たらなくなった」ということも瑕疵になり得ます。

そういった問題が売却後に出てきたら、売主は損害賠償責任を負うか、もしくは契約が解除されることがあります。
これが「瑕疵担保責任」です。

仲介の場合、中古マンションの売却先は普通の個人である場合が多いです。個人間の売買では民法で瑕疵担保責任について定められておりますが、瑕疵はマンションの立地や周辺の状況によるものも含みますので到底個人が責任を負うことができない場合があります。そこで瑕疵担保責任を負う期間や範囲を当事者同士が決めたり、売主が瑕疵担保責任に備えて保険に加入したり、事前に備える必要があります。
ところが買取ですと、売主はほとんどの場合瑕疵担保責任を負わなくていいのです。

個人が不動産査定会社に中古マンションを売却する場合、個人と法人とのやりとりになりますね。資金力で勝る法人が、個人の不利になる内容の契約を結ぶことは消費者保護法で禁じられています。

また、不動産査定会社は買い取った中古マンションを、今度は別の誰かに売却します。
不動産業者が自ら売主になる場合は、瑕疵担保責任を免責にできません。それどころか民法の規定より買主に不利な条件の特約は無効とされます。
責任を負わなくても良いように、不動産査定会社は瑕疵を修繕して売却します。ですので中古マンションに多少の瑕疵があっても、そのまま買い取ってもらうことが可能なのです。

買取での注意点


ここまで買取の特徴について見てきました。
「なんだ、結構いい事づくめじゃない」とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし売却価格については注意が必要です。
仲介の場合はあくまで市場価格などを参考に査定された価格で売り出されます。購入希望者もその中古マンションのある地域の相場を参考に購入を決めます。

ところが買取の場合は仲介の時より売却価格が安くなります。
「買取は不動産の下取りである」と上記で触れましたが、下取りの後で不動産査定会社は別の誰かに中古マンションを売却しますので、売却益を得るためにも市場価格より安く査定されます。

その価格は市場価格の80%~90%であることが多いようです。
さらに中古マンションに瑕疵があれば、売却価格はさらに安くなってしまいます。
売却に時間がかかっても高く売却したいと考える方には、仲介での売却が向いているかもしれませんね。
また、買取の場合は即金での購入が基本です。つまりキャッシュフローが健全かつ豊富な資金力を持つ大手の不動産査定会社との取引になることがほとんどです。たとえ信頼している会社でも、地場の小さな査定会社では買取を断られる可能性があるのです。

まとめ


ここまで、中古マンションの売却には「不動産査定会社による買取」という手段があること、またその特徴と注意点について見てきました。
買取を受け付けるのは大手の不動産査定会社がメインですが、その中でも複数の会社に査定を依頼することは大事なことです。
最近は大手の会社が参加する一括査定サイトもありますし、買取専門の一括査定サイトもあります。買取でも一括査定サイトで売却価格を比較できるのです。

また、瑕疵担保保険がついている物件は、買主が負担する不動産取得税や登録免許税が安くなるため、物件を高く売却することが可能です。
一括査定サイトを利用して、買取でも賢い売却を目指しましょう。

「売却初体験」でも安心!中古マンションの売却と仲介の関係

 

あなたの家の近所にある不動産屋の看板、SNSやインターネットに上がってくる不動産屋の広告などに必ず出てくる言葉、それが「仲介」です。

日本では、マンションなり一軒家なり不動産を購入することは「一生に一度の大きな買い物」と言われます。
ですので一部の不動産投資家を除き、日本では大多数の人が「売却初体験」と言っても過言ではないのです。
そのようなはじめて中古マンションを売却する人にとっては、仲介という言葉自体が聞きなれない言葉です。
中古マンションを売却する時には切っても切れないこの「仲介」ですが、一体何なのでしょうか?
そこでこの記事では、「仲介って何だろう?」という疑問にできる限り分かりやすくお答えしていきます!

仲介って何だろう?


あなたがとある分譲マンションを新築の時に買ったとしましょう。
新築の場合はディベロッパーのスケジュール通りに書類にサインをし、ローンを組んだり登記を依頼したりして契約を進めたはずです。

しかしこのマンションを諸事情で売却することになった場合は、手続きが少し変わってきます。全ての住人が同時に売却することはまずありえませんので、あなたが個人で売却先を見つけなければなりません。
ですが購入時の手続きを思い出してください。宣伝から引き渡しまで行うには初心者には荷が重いことです。

そこで中古マンションの売却の際にあなたの手助けをしてくれる存在が「不動産仲介業者」です。
不動産仲介業者は、中古マンションなど不動産の売買に関して、売主と買主との間に立って、売買契約の成立に向けて尽力すること、つまり買主を見つけてくれるサービス(=代理店、仲介業)を主な業務としています。
不動産会社が行う仲介は、あっせん・媒介とも呼んでいます(宅建業法ではこちらの呼び方の方が多用されます)。不特定多数の中から売買の相手方を探すのが大きな特徴です。

ちなみにこういう形の仲介は免許を受けた宅地建物取引業者が行うと宅建業法で定められていますので、仲介を依頼しようとする不動産会社が免許を受けているか確認してみてください。
以上で仲介とは何かお分かりいただけたかと思います。
次に、「仲介業って具体的には何するの?」という疑問にお答えしていきます。

中古マンション売却時と仲介


所有する中古マンション売却の仲介を、A不動産会社にお願いすることにしたあなた。
ではA社が実際にあなたの売却の仲介をするためには、どんな業務を行なっているのでしょうか?

・受付
不動産会社のホームページ、売却査定サイト、住宅情報誌などの広告媒体をきっかけに問い合わせのあった人や、既存顧客に紹介してもらった人に来店してもらい、売却を考えている中古マンションの概要や、依頼・相談内容を確認する場を設けます。この時、不動産取引の流れや媒介業務の範囲についての説明があります。

・物件調査
問い合わせのあった中古マンションについて、不動産登記簿を確認したり、売主に詳しく尋ねて調査します。また現地に行って外観や設備・ライフラインを調査したり、都市計画法や建築基準法などで土地に利用制限があるかどうかもこの時チェックします。

・価格査定
中古マンションの売出し価格を決めるため、調査を前提に業者が価格査定をし、売主に助言をします。この査定価格を参考に、売主と業者が協議の上売出し価格を決めます。

・媒介契約締結
売出し価格が決まると、業者と売主との間で仲介のためいくつかの約束事を取り決め、その内容について業者が書面を用意します。業者が勝手に動いてしまってはトラブルの元になってしまいますね。
このような約束事を「媒介契約」と呼びます。

・買主の探索
売りに出された中古マンションを買ってくれる人を探します。3年ほど前からスマートフォンで物件探しをする人が主流になってきましたが、まだチラシや不動産情報誌も健在です。そういった媒体に広告を出します。
また、広告をきっかけに問い合わせのあった人を現地マンションに案内します。

・買主との交渉
買主の資金計画を立て、売主と買主との間で価格交渉をします。

・重要事項の説明
業者が重要事項説明書を作成して、売主と買主両方に説明します。

・売買契約成立と引渡し
売主と買主との間で売買契約が成立し、所有権移転登記が終わると、マンションの引渡しです。

以上が中古マンション売却の仲介を依頼した場合の、不動産業者の業務になります。
「へーっ、業者はこれだけたくさんの業務をこなしているのか!?」
と驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私(筆者)もその一人です。
では、不動産業者はどの時点で報酬(=利益)を得ているのでしょうか?

価格査定も営業活動



実は、不動産会社は売買契約を成立させるまで報酬は得られません。
つまり成功報酬なのです。

株式の売買をイメージしていただくと分かりやすいかと思いますが、証券会社も顧客の売買を成立させてはじめて手数料をもらうことになっています。その前段階として証券会社は顧客に口座を作ってもらわなければならず、情報提供やマネーセミナーなどは顧客獲得のための営業業務としてサービスで行なっています。

不動産業者も同じです。
仲介を行う不動産業者の主な収入源は、売買契約成立時の仲介手数料です。仲介手数料についての取り決めは、上記の「媒介契約締結」の時になされます。この媒介契約がないと不動産会社は手数料をもらえない、つまり収入ゼロになり廃業につながります。ですので媒介契約をもらうために、不動産業者は物件調査と価格査定を営業活動の一環で行なっているわけです。
中古マンションなど不動産の売却を考え、不動産業者に仲介をお願いしようとする人にとって、査定価格は不動産業者を選ぶ際の重要なポイントです。

不動産業者が価格査定をする時には、上記でも触れた項目が最低限必要です。ネット通販のAmazonで服の試着サービスが始まり、「現物に触れられない」というネットショッピングの弱点を克服しつつありますが、中古マンションの売却も実際に現地に行ってみないことには正確な価格査定は行えません。

また、査定価格を出してくる過程で不動産会社ごとの営業姿勢が透けて見えてくるものです。しっかりとしたエビデンスを元に査定をしたかどうかがここでハッキリするはずです。

ですので物件調査と価格査定は不動産会社のサービスと思って遠慮なく依頼して構わないと私は思います。
もちろん、価格査定をしてもらった後で売却を取り止めても手数料は発生しませんし、「この会社はちょっと…」と思ったらお断りしても構いません。

現実に査定価格を目にした途端、売却に迷いが出たりするのもよくあることです。逆に査定価格に勇気付けられ、売却へ踏み出せることもあるのです。査定価格は「踏み絵」としての性格も有しているといえます。
そこまで考えている不動産会社は、価格査定も真剣に取り組んでくれているはずです。

まとめ–納得いくまで査定を


では、日本国内に約5万あるとされる仲介を扱う不動産業者の中から、真摯に業務に取り組む不動産業者と出会うためにはどうすれば良いでしょうか?

ネットで中古マンションなどの物件探しをする人のうち、3年ほど前からはスマートフォンでの検索がほとんどになってきました。
今ではスマートフォンでも手軽に使える「一括査定サイト」の利用が活発になっています。

改めて説明しますと、一括査定サイトであなたが売却したいと思っている中古マンションなどの不動産情報と個人情報を入力すると、その情報を元に不動産会社が自動的に抽出されて、複数の不動産会社に一度に査定依頼が行えるサービスです。
インターネットによって無料で最大6~10社からの査定を取ることが可能です。わざわざ自分で会社を探さなくても良く効率的ですし、良心的な会社に早く出会えるチャンスも増えます。

最初にいきなり仲介を依頼するのは敷居が高くなりますので、まずは査定の依頼から始めてはいかがでしょう?
納得のいく売買のためには、日用品から高額の買い物に至るまで、複数の価格を比較するのはごく当たり前のことです。
一括査定サイトを上手に利用して、「ここだ!」と思える不動産業者に仲介を依頼していきましょう。

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