マンション売却をキャンセルするとき違約金が発生するタイミングは2つ

トラブル・特殊な物件の売却

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何か特別な事情があってせっかく決まったマンションの売却をキャンセルしなければならない場合もあるでしょう。マンションの売却をキャンセルできるのはいつまでなのか、違約金の支払いはいつ発生するのかを不動産会社スマートアンドカンパニーが解説していきます。マンション売却の前に頭に入れておきましょう。

記事を読めば以下の内容がわかります。

・契約後のマンション売却キャンセルでペナルティが課されるタイミング

・マンション売却をキャンセルしても違約金などが発生しないケース

マンション売却をキャンセルするとき違約金が発生するタイミングは2つ

マンション売却キャンセルで違約金発生

マンション売却をキャンセルする場合、違約金が発生するタイミングとそうでないタイミングがあります。違約金が発生するタイミングは大きく2つ。まずは違約金が発生するキャンセルを確認していきましょう。

売買契約の締結完了し手付金をもらった直後のキャンセル

契約直後は手付金の倍額で契約をキャンセルできる

マンションを売却しようとして売買契約まで結んだものの、何らかの事情でマンションを手放すことが出来なくなった場合は売却をキャンセルする事が可能です。売買契約を締結して間もなくであれば、手付金の倍額を買主へ支払うことで契約を解除することができます。

手付金による契約解除は、契約違反をした場合に支払う違約金とは厳密にいうと異なりますが、契約を解除する売主へのペナルティの意味合いが強いものです。

キャンセルの際に払うのは、手付金の返還プラス手付金と同じ額(つまり手付金の倍額)となります。

マンション売却を契約直後にキャンセルするケース例

売却金額 2,000万円のマンション
買主より預かった手付金(売却価格の5%) 100万円
手付金プラス手付金と同額100万円 計200万円を買主に支払う

手付金による契約のキャンセルには期日がある

直後といってもいつまでが直後と言えるのでしょうか。手付金による契約解除ができる期間は、売買契約を結ぶ際に設定されます。だいたい契約日から1~2週間程度が一般的です。

「買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。」(民法第557条より)

民法の規定では、手付金を払うことで売買契約を解除することができるが、「相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない」とあります。つまり、相手方が契約の履行に着手した場合には、手付金の放棄では契約を解除できない、ということになります。この「履行の着手」というのは、何をもって判断するのでしょうか?

「契約の履行」が具体的にどのような行為をした場合なのかは、個々で判断が分かれるでしょう。売買契約の締結から、最終的な決済と物件の引渡しまでは、だいたい1ヶ月くらいの期間がかかります。引渡しの前日などぎりぎりの段階でも手付金を放棄さえすれば契約を解除できてしまえば、被る損害は手付金どころで済む話ではありません。 そこで、そのようなトラブルを回避するために、個人同士の売買では契約の解除が出来る期日を設定して売買契約を結ぶのです。その解除できる期日のことを手付解除期日といいます。この手付解除期日までのキャンセルは、買主側は手付金を放棄、売主側は手付金を倍返しすることになります。

売買契約のキャンセルをする方法は

手付金の支払いで売買契約を解除する場合は、まずは書面で買主に売買契約を解除することを通知します。さらに受け取った手付金の倍額を買主へ支払うことで、売買契約を解除することができます。注意点として、解除を通知する書面と買主へ支払うお金は、手付解除期日までに買主に届いていなければいけません。

手付金とは

売買契約を交わす際に、買主から売主へ手付金が支払われます。売主が個人の場合は手付金の金額に決まりはありません。一般的に、売買代金の5%から10%にあたる額を支払います。この手付金として支払った分は、売買代金の一部として充てられます。

手付金の種類
当事者双方が手付金を放棄することなどで契約をキャンセルできる「解約手付」
・契約が成立したという証拠のための「証約手付」
・債務が履行されなかった時の違約金として没収するための「違約手付」

以上の3つの手付金の中で、マンションの売買契約の取引の上で用いられるのは「解約手付」です。

買主側からみると、手付金を払うことによって買いたい物件を確実に自分が購入できる権利を得るという意味合いが大きく、売主側からみると、手付金を支払ってもらうことで、契約を容易にキャンセルできなくする意味合いが大きいでしょう。

民法の規定によると、売買契約後にやむを得ない事情でその契約を解除することを、売主、買主双方に認めています。ただし、契約を解除する場合には、手付金を放棄することを条件としているのです。

売買代金を受け取る直前のキャンセル

期日を過ぎると手付金だけではキャンセルできない

売買代金を受取る直前のタイミングでは手付解除期日を過ぎていることがほとんどだと思います。手付金期日を過ぎて引渡し直前に売買契約をキャンセルしたい場合はどうなるのでしょうか。

その場合に相手方に与える損害は多大なものがあります。最悪の場合には損害賠償請求、裁判沙汰となってもおかしくはありません。そのような最悪な事態を避けるために、さらに手付解除期日以降の解約については違約金の支払いを事前に売買契約書に定めておくのが一般的となっています。相場は売買金額の20%となっています。手付金の返却はもちろんですがでプラス売買金額の20%を支払う事となりますので、かなりの費用となってしまいます。

マンション売却を期日を過ぎてキャンセルするケース例

売却金額2,000万円のマンション
買主より預かった手付金(売却金額の5%) 100万円
違約金(売買金額の20%) 400万円
手付金の返還プラス違約金で 計500万円を買主に支払う

マンション売却をキャンセルする時に違約金が発生しないタイミング

キャンセルで違約金が発生しないケース

マンション売却をキャンセルする場合でも、違約金がかからないタイミングがあります。もしキャンセルする可能性が少しでも予想されているようであれば、ぜひ内容を確認しておいてください。

売買契約締結前のキャンセル

売買契約を結ぶ前の段階でのキャンセルという場合は当然あり得ます。その場合は、売主都合の場合でも買主都合の場合でも、基本的に違約金などは発生しません

マンションの内覧後に物件を購入したいと思った場合、購入希望者は「買付け申込書(買付け証明書)」という書類を売主に渡します。これは、「マンションを購入したい」という意思を示す書類ですが、契約ではありません。ここから売買契約を結ぶために、マンションをいくらで売却するのか、いつ引き渡すのかなどに関して売主買主双方で交渉をしなければなりません。値段の折り合いがつかないようであれば、売主側からキャンセルし他の人との交渉に入ることが可能です。またこのタイミングでは買主側からのキャンセルも可能なので、もっとよい物件が他に見つかったから、ということでキャンセルされることも考えられます。

売買契約締結後でも抵当権抹消の特約がある場合はキャンセルできる

抵当権の抹消の特約を付けて売買契約を結んだ場合は、売却しても抵当権が抹消できないときに契約を白紙に戻すことができます

通常は、売却するマンションに多額のローンがあり「売却しても返済出来ない=抵当権が抹消できない」場合は売買契約を結べません
売買仲介を得意としている仲介業者であれば売買契約前に抵当権の内容を調査して抹消できるかどうかを売主や金融機関に事前に確認するからです。
しかし、中には抵当権者側の様々な事情などで、売買契約締結後でなければ抵当権抹消が承認されるかがはっきり確定できない場合もあります。
その場合には売買契約時に「抵当権の抹消ができなければ白紙解除とする」という旨の特約を入れるのが普通です。ですから売買金額でマンションのローン残債が払えず抵当権が抹消できないとなった場合に、この特約が付いていれば売買契約は白紙に戻ります。もちろん違約金などを支払うことはありません

 

<参考>
「買換え特約」による買主側のキャンセルについて
マンションの売主側ではなく買主によるキャンセルについて取り上げておきます。
買換え特約は、自宅の買い替えで新居を先に購入する場合に売買契約書に付けられる特約です。自宅が指定した期間の内に指定した金額以上で売却できなかった場合、新居の購入契約を白紙に戻すことができます。
マンション売却がもし決まらなかった場合、買換え特約があれば次に住む家の購入契約も違約金なしでキャンセルが可能です。

 

セットで知っておくべき知識:マンションを売却するときの流れ

マンション売却の流れ

最後にマンションの売却査定からの売却の流れを簡単にご説明しておきたいと思います。

マンション売却査定から売却までの流れ

マンションの売却相場を調べる

マンションを売却しようと思ったら、まず始めにすることは何でしょうか?

マンションがいくら位で売却出来るのか相場を調べる事です。すぐに不動産会社に査定を申し込むのもいいのですが、もし売却までにまだ時間があるというのであれば、査定を申し込む前に近所のマンションの売却情報をチラシや折り込み広告をチェックするのもおすすめです。他の物件を色々と見比べていくうちに、自分のマンションがだいたいこれくらいならば売却できだという相場の価格がだいたい分かるようになってくるでしょう。

マンションの売却査定を申し込む

査定は、不動産会社に申し込みます。査定金額は、売却したいマンションと似たような物件の過去の取引データなどを参考に、だいたい3ヶ月くらいの間に売却できるであろうとする価格を不動産会社が算出してくれるものです。この査定価格はあくまでも不動産会社が出した参考価格ですので、売り出しの価格は売主が決めます。また、実際にいくらで売却できるかはその後の買主との交渉によって決まることになります。

査定の方法は2つ
「机上査定」
マンションの住所、間取り、築年数などの情報と過去の取引データから出す簡単な査定
「訪問査定」
実際に不動産会社の担当者がマンションを訪問し部屋の中の状況やマンションの状態、周辺の環境などを目で確認してから査定金額を出す

マンションの査定には費用はかかりません。また査定を申し込んだらその不動産会社と媒介契約を結ばなければいけない、という訳ではありません。

マンション売却を成功させる不動産会社選び

マンション売却を成功させるには、不動産会社選びも重要になってきます。自分のマンションと相性の良い不動産会社を探す意味でも査定の依頼は複数の不動産会社にするのが正解です。インターネット上で一括査定サイトなどを利用すれば一度に複数の不動産会社に査定を依頼出来ますので、うまく活用して最適な不動産会社を選びましょう。

最近は一括査定サイトもいくつか存在するようになりました。マンション売却一括査定人気ランキングよりランキングが確認できますので、人気上位のサイトで査定の申し込みをすることから始めてみることをおすすめします。

マンションを確実に売却に導いてくれそうな不動産会社が見つかったら媒介契約を結びます。媒介とは、買主と売主の間に立ってマンション売買の成立を助けることです。不動産会社は費用をかけて広告などを出し売却物件の販売活動をしたり、契約の条件を調整したり、契約の書類を作ったりします。

マンション売却までの費用も確認しておきましょう

査定価格を参考にしてマンションの販売価格を決定し売却活動の開始です。売主は購入希望者のマンション内覧に備えて準備をします。内覧後、無事買主が見つかり、双方で売却価格や引渡し条件などの折り合いが付けば、いよいよ売買契約の締結です。 買主から手付金を受取り、不動産会社には通常仲介手数料の費用の半額を支払います。売買契約から1ヶ月から1ヶ月半後、残金の決済とマンションの引渡しを同時に行います。ここで仲介手数料の費用残金を不動産会社に支払います。また、引渡し時には同時に不動産の登記が必要になりますのでその登記費用も司法書士へ支払います。

マンションを売却するおおまかな流れは以上のとおりです。より詳細な手続きや必要な費用についてなどは都度不動産会社の担当者に確認しながら進めると良いでしょう。

マンション売却のキャンセル まとめ

契約後にマンション売却をキャンセルするとペナルティが課される
・手付金を受取った直後:手付金の倍額
・売買代金を受取る直前:手付金の返還と違約金

マンション売却をキャンセルしても違約金などが発生しない2つのケース
・売買契約を結ぶ前
・抵当権抹消の特約がある場合

マンション売却を売主がキャンセルする際に気をつけておきたいタイミングについて詳しく見てきました。

何事もなく無事に売却まで進むのが一番いいのですが、マンション売却でトラブルが発生する可能性もないわけではありません。売買契約の締結の際には、手付解除期日や違約金の額、特約の有無について念のために確認をしておきましょう。

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