老後2000万円問題から考える・知っておきたい不動産売却の現状と対策

不動産売却一括査定「イエイ不動産売却査定」

100歳まで生きるのが当たり前、そんな時代が近づいています。

これからやってくる老後のために現在所有している不動産をどうするのが1番いいのでしょうか。売却した方がいいのかそれともこのまま所有した方がいいのか迷っている。そんな方のために今回は、老後に備えて所有している自宅などの不動産をどうしたらいいのかを考えていきたいと思います。

年金では足りない?不動産の価値を知って老後の資金計画を

老後の生活は公的年金だけでは足りない?

2018年に厚生労働省から発表された「簡易生命表の概況」によると、平均寿命は男性81.09 年、女性は87.26 年。平成29年の出生に対する生存率を見ると男性は4人に1人、女性は2人に1人が90歳まで生きる時代になっています。

そんな中、今ニュースで話題となっているのが「老後は公的年金だけでは生活が成り立たない。公的年金の他に2,000万円が必要」という金融庁の報告書。以前から専門家の間で指摘されていた問題ではありますが、今回初めて耳にしたという方の中には老後に対しての漠然とした不安がますます大きくなってしまった方もいらっしゃるでしょう。

老後に2,000万円不足するとした報告書の内容を簡単に見てみましょう。

高齢夫婦の平均的な姿として、夫65歳以上、妻60歳以上の無職の夫婦世帯を例にしています。夫は元会社勤めで厚生年金、妻は国民年金のみ、というケースです。平均的な高齢夫婦の1ヶ月の平均的な支出は263,718円。世帯収入は主に年金の209,198円です。単純に平均額を比べると収入が支出を下回ってしまうため月々5万5千円程度の赤字となっています。赤字の足りない分は預貯金などの手持ちの資金を取り崩す事になるとすると、このような状態が30年続いた場合、およそ2,000万円が公的年金とは別に必要になってくるという内容です。

あくまでも平均的な世帯ですので、これよりも支出が少ない場合ももちろんあるでしょう。夫婦共に厚生年金に加入していた場合には、年金額はもっと多くなりますし、65歳以上でも働いている場合もあるでしょう。「老後に2,000万円足りない」という金額が大きく報じられていますが、必ずしも一律にすべての高齢世帯が65歳までに2,000万円貯蓄がないと老後が過ごせなくなるという話ではないのです。もちろん、年金が破綻して将来受給できなくなる可能性がある、という話でもありません。しかし、給付される年金だけで海外旅行をしたり趣味を楽しんだりといった生活を維持していくのは難しいというのは事実でしょう。

退職後仕事を続けない場合は、通常収入は年金がメインとなります。年金で足りない分は、それまでに貯蓄してきた貯金や資産から補填していく必要があるでしょう。年金の受け取り範囲だけで暮らせているうちはいいのですが、病気や怪我などで介護が必要になった場合、介護費の出費はかなりの負担になるようです。介護が必要になった際の介護費はどれくらいかかるのを次に見ていきましょう。

公益財団法人生命保険文化センターの発表している「平成30年度生命保険に関する全国実態調査 〈速報版〉」によると、実際に支払っている介護費用の月々の平均は1カ月当たり7.8万円となっています。月々の費用を分布で見てみると、最も割合が多いのが「15万円以上」で15.8%、「5万~7万5千円未満」15.2%、「1万~2万5千円未満」15.1%、「10万~12万5千円未満」11.9%となっています。

高齢になっても元気で溌剌と毎日を過ごしている方は多くいらっしゃいますが、そのように健康で過ごせるのはどのくらいの期間なのでしょうか。健康上の問題がなく日常生活を送れる期間を「健康寿命」と定義すると、平均寿命と健康寿命との差は、2016年では男性8.84年、女性12.35年でした。つまり、健康で問題なく日常生活が営める期間は平均寿命より短く、平均8年から12年間は介護が必要となる期間があるということです。単純に介護費用の平均から計算すると、7.8万円×12ヶ月で年間93万6千円。およそ100万円近い金額です。最も割合が多い15万円で計算すると15万円×12ヶ月で年間180万円にもなってしまいます。先ほどの高齢者夫婦のモデルケースは、健康な場合で介護費などは入っていません。老後は子どもが独立し教育費が掛からなくなるので出費が少なくなるイメージがあるかもしれませんが、介護費や医療費がかかってくるようになると、その分の出費が増えてくる事になります。

長生きする事で誰もが直面する老後のお金の問題。必要になった時に、短期間ですぐに貯められる金額ではありませんので、長期的な視野で計画的に準備しておかなければならない時代になってきています。いったい老後にいくら必要で、不足分はどれくらいなのかを自分たちの生活スタイルに置き換えて、具体的に考えてみる事も大切です。そのきっかけともなったのが今回の2000万円不足の問題だったのではないでしょうか。

売却するか賃貸に出すか

老後の資金確保のために、不動産を売却するのではなく活用した場合を考えてみましょう。売却せずに賃貸物件として貸し出せば、老後の生活費の補填になるのでは、と考える方もいらっしゃるでしょう。

結論から言うと、潤沢な資金が手元にない場合には売却した方が無難です。賃貸物件は現在既に供給過剰気味になっているからです。賃貸も新築は人気がありますが、中古物件の場合は競争力をつけるためにある程度設備への投資も必要です。よほどの好立地物件でない限り、将来にわたって常に入居者を確保し続けるのは難しいでしょう。また、自分で管理する場合には家賃の回収や入居者のクレームなどの対応を行う必要があります。自分で管理せずに管理会社に委託する場合には手数料などの支払いも必要になってきます。特に物件に住宅ローンが残っている場合は、空室になった際には家賃収入がなくなりますので老後の生活を圧迫する事にもなりかねません。

売却する際は、複数の会社から査定を取り、少しでも高い価格で不動産を売却するべきです。一括査定サイトを利用してみるのが非常におすすめです。

退職後にも住宅ローン返済が残る場合

退職金をローン返済に充てればいい、と考えている場合には、老後資金が足りなくなる可能性があります。先に述べたように、いざという時に備えて、公的年金だけではなくある程度の老後資金に余裕がある状態であれば安心です。退職金はまとまった老後資金として確保しておくべきでしょう。退職後もローンの返済が長期間続くようであれば、当然年金だけでは生活費が不足してしまうでしょう。ローン完済までに貯蓄を使い果たしてしまう可能性もあります。この場合、早期に自宅を売却してローンを完済し、手頃な住宅へ住み替えるのがベストでしょう。しかし、ローンの残る自宅を売却するには、ローンを完済する必要があります。自宅の売却価格がローンの残債を上回っていればローンを返済して売却する事が出来ます。自宅が高く売却出来れば、ローンを完済した後でも手元に資金が残る可能性もあるでしょう。自宅の正しい価値を知るために、不動産会社へ売却査定を依頼し、だいたいいくらくらいで売却出来そうなのかを査定してもらう事が大切です。

不動産売却一括査定「イエイ不動産売却査定」

住まなくなってしまった自宅の場合

後ほど詳しく解説したいと思いますが、空き家に対しての行政の対応が厳しくなりました。空き家が増加して社会問題化しているためです。1年以上放置され特定空き家に指定されると、税制の優遇措置が適用されないなどといったデメリットが生じる事になります。

子どもの世帯と同居することになったなど、何らかの理由で住まなくなってしまった自宅は早期に売却した方がいいでしょう。

マイホームを売却した場合には、特別控除の特例があり、譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができます。しかし、住まなくなった日から3年経った年の年末までに売却をしないと特例は受けられなくなってしまいます。簡単に言うとマイホームの購入時よりも売却額が高く利益が出た場合でも、3,000万円まで控除されるという特例です。自宅を自分たちで購入した場合には、売却時の価格が購入時よりも値上がりする事はあまりないかもしれませんが、相続などで昔から住んでいる場合には注意が必要です。取得価格が不明の場合には、売却価格の5%が取得価格とされてしまい、譲渡所得が大きくなり多額に課税されるケースがあります。ですから取得価格が分からない場合には控除を受けられる期限内に動いた方がいいでしょう。

老後の生活に影響も?空き家問題について

先ほど少しお話しした「空き家問題」について詳しく見ていきましょう。空き家になったまま何もせずに放置しておくと老後の生活に影響を与える可能性があります。

空き家が増加している現状

近年増加している「空き家問題」について耳にされた方も多いかもしれません。

少子高齢化や地方の人口減少が進んだことにより、空き家が増えて社会問題化しています。

総務省統計局の発表している「平成30年住宅・土地統計調査」によると、空き家数は846万戸で平成25年と比較して26万件増加しています。全国の総住宅数の13.6%を占め、過去最高を更新しています。

この調査では、空き家を大きく4つのタイプに分類しています。

「賃貸空き家」賃貸用の物件で入居者がいないため空き家になっている住宅です。

「売却用空き家」売却に出ている空き家です。

「二次的住宅」別荘などの住宅で常に人が住んでいるわけではない住宅です。

「その他空き家」上の3つ以外の理由で空き家になっている住宅です。

この4つの空き家数の内訳は、「賃貸用の住宅」が431 万戸(平成25 年と比較して2万戸の増加)「売却用の住宅」が29 万戸(1万戸の減少),「二次的住宅」が38 万戸(3万戸の減少),「その他の住宅」が347 万戸(29 万戸の増加)となっています。

空き家が増加した理由

日本ではなぜ空き家が増加しているのでしょうか。空き家が増加している背景について見ていきましょう。

世帯数より多い物件数

日本では、中古より新築がより好まれる傾向が強いので、新築物件は人気があります。人気に後押しされて新築のマンションはどんどん建築され、世帯の数よりも物件の数が多くなってしまっています。新築はすぐに入居が決まりますが、中古物件は新築に比べてしまうと流通が盛んではありませんので、空き家が急激に増加していると言えます。

相続で空き家に

両親の残した実家を相続したものの、子どもは既に自分の名義の家を所有している場合も多いでしょう。特に実家から離れた土地で生活している場合は、そのまま手つかずの状態になってしまう場合も多いでしょう。また、思いでの多い実家を解体や売却する事に対して抵抗があり、いつか何とかしなければと思いつつもそのままになってしまう場合もあります。相続した実家が空き家となってしまうケースです。

また相続した家に複数の相続人がいた場合には、解体したり売却したりする場合には相続人全員の同意が必要になるため、そのまま放置される場合もあります。また、親から相続した不動産の登記がきちんとされていなかったため権利関係が複雑になり、売却も活用も出来ずに家が放置され続けるケースもあります。

家を解体すると負担が大きい

居住していても空き家の状態でも、同じく固定資産税はかかります。しかし、固定資産税には優遇措置があり、更地の場合よりも建物を建てた方が土地に掛かる税金が少なく済みます。土地に掛かる税金は、建物を建てると優遇措置により1/6に減免されるのです。つまり、更地にしてしまうと、支払う固定資産税が高くなってしまいます。費用をかけて建物を解体した上に税金が上がってしまうより、このまま空き家の状態にしておこうというケースも多いでしょう。

特に問題な空き家とは

空き家の数の内訳を見ると賃貸用の住宅の空き家率が最も高くなってはいますが、空き家問題で特に問題視されているのは、4つ目の「その他の空き家」です。

「その他の空き家」は、立て替えで取り壊し予定の住宅も含まれますが、居住世帯が転勤したり入院したりなどで長期間不在の住宅や、相続された後に放置されたままの住宅です。管理されないで放置されたままになっている空き家は、例えば放火される危険性がある、老朽化して崩れる危険性がある、不法侵入など犯罪が起きる可能性があるなど、様々なマイナス面が指摘されています。防災、衛生、景観などといった観点から周辺の環境に悪影響を及ぼす危険性があると考えられているのです。「その他の住宅」に分類される空き家は平成25年と比較すると急激に数が増加していることが分かると思いますが、今後も、団塊世代の高齢化に伴って空き家がさらに増加する事が予想されています。

空き家を放置するとどうなる?

空き家対策として平成26年11月に成立した「空家等対策特別措置法」により、放置されている空き家に対して行政の対応が厳しくなりました。適切に管理を行っていない空き家は、行政によって指導が入ります。それでも改善されないと、罰金が課されたり、行政執行の措置がとられたりする場合があります。

これまでは、空き家といっても所有者の許可がなければ勝手に立ち入る事は出来ませんでした。しかし、この法律によって行政による空き家が適切に管理されているかの調査や、適切に管理するための指導、勧告、命令が可能となりました。管理が適切にされていないと特定された空き家(特定空き家)に対しては、50万円以下の罰金や行政代執行により強制的な解体が行えるとされています。解体にかかった費用は所有者へ請求される事になります。

さらに「特定空き家」と指定された空き家は、住宅が建っている場合に受けられる優遇措置「住宅用地特例」が受けられなくなりますので、土地にかかる税額が上がってしまいます。

空き家が老後の生活に与える影響

毎日を自宅で健康で過ごせているうちはいいのですが、やがてそれが難しくなる日がくるかもしれません。やむを得ず施設への入所をした後、それまで暮らしていた自宅は空き家となってしまいます。住居は誰も住まなくなってしまうと途端に老朽化が進みます。1年以上誰も住むことなく放置し特定空き家と指定されてしまうと、最悪の場合には罰金や固定資産税の優遇措置が受けられなくなるなど、所有者の負担が増えてしまいます。そうなる前に、出来れば早めに売却するなど検討した方がいいでしょう。

不動産価格下落の可能性

所有している不動産を売却して老後の資金に充てようと考えている方にとって、不動産の価格の動向は気になるところだと思います。現在のところ主要都市を中心として不動産の価格はやや上昇か横ばい傾向です。しかし今後の見通しは不透明で、下落するのではとの見方も多く聞かれます。将来を正確に予測するのは難しいのですが、不動産価格を下落方向へ向かわせるいくつかの要因について考えてみたいと思います。

要因1・日本の人口は減少している

日本では2011年から継続して人口が減少する社会となっています。総務省統計局によると、平成30年(2018年)12月時点での日本の総人口は、1億2643万5千人。7年連続で前年より減少しています。国立社会保障・人口問題研究所が平成29(2017)年4月に発表した「日本の将来推計人口」では、「平成27(2015)年1 億2,709 万人だった日本の総人口は、以後長期の人口減少過程に入り、平成52(2040)年の1 億1,092 万人を経て、平成65(2053)年には1 億人を割って9,924 万人となり、77(2065)年には8,808 万人になるものと推計される」と予想しています。

不動産価格の下落要因は単純に人口だけではなく、世帯数の増減に関係があると言えます。人口減少は続いているのですが、実は世帯数に関しては増加が続いています。これは、大家族で一緒に暮らすというスタイルから小規模な世帯構成へ変化していることが原因です。特に夫婦のみ、単身者のみ、ひとり親と子世帯の増加が目立っています。このような背景から人口が減少する中でも世帯数の増加は続いていました。しかし、国立社会保障・人口問題研究所が発表している2018(平成30)年推計の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」では、「世帯総数は2023 年をピークに減少開始する」と予想されています。

世帯数が減少していく中で不動産の供給が過剰になり、不動産価格は下落するのではとの見方があります。

要因2・2022年問題で供給過多に

2022年に大量に宅地が供給されて不動産価格が下落するのではと懸念されています。

1992年改正された生産緑地法により、三大都市圏(東京、大阪、名古屋)とその近郊にある市街化区域内の農地のうち、面積500㎡以上の土地を緑地として保持する土地に関して生産緑地の指定が行われました。生産緑地の指定を受けた場合、農地として管理する事が求められます。所有している土地でも自由に建物を建てるといったことは出来なくなりますが、固定資産税が農地並みに軽減されました。

その生産緑地の指定が30年で解除されるという事で、多くの生産緑地が2022年に指定解除され、固定資産税額が上がって管理しきれなくなった所有者が土地を手放すのではないかと考えられています。

宅地業者やマンションデベロッパーがこれらの土地を買取り、そこにマンションや戸建てを建設すると、供給が過剰になり不動産価格が下落するのではと懸念されています。

売り時を考えるなら

老後の資産形成のためであるなら、所有している不動産を出来るだけ高く売却する事が重要になってきます。現在はオリンピックの特需による影響もあり、都市部を中心として不動産価格は好調を保っています。しかし、オリンピックの開催終了後は著しく経済が成長する要因が今のところ少なく、世帯数の減少や2022年問題といったマイナス要因が挙げられます。ですから不動産を売却して老後の資金を確定しておきたいと考えた場合、今は売り時であると考えて良いでしょう。ただし、今が売り時であるからと焦って売却を決めてしまう前に、不動産を売却する際に考えておきたい点がいくつかありますので、次は売却する際の注意点を見ていきたいと思います。

不動産の売却は何に気をつければいいのか

早めに査定を受ける

不動産の売却を決断したら、まずどれくらいの価格で売却出来るかを調べる必要があります。例えば売却不動産が土地であれば、土地には新築、中古などは関係ありませんので価格はほぼ安定していると言っていいと思います。一方マンションや戸建てなどを新築で購入した場合、築年数が経つにつれ物件の資産価値は残念ながら下がっていく場合がほとんどです。都心で人気の高いごく一部のエリアであれば値上がりが期待出来るかもしれませんが、ほとんどのエリアのマンションや戸建ては一般的に新築時より資産価値は下落していきます。だいたい20年でおよそ半分程度の価値になってしまうと言われています。

ただ、購入時よりも価値は下がっているとはいえ、需要があれば出来るだけ高く売却する事は出来るでしょう。いくらで売却出来るかは売却してみないと分からない不確定な部分ではあります。しかしもし、相場よりも安く価格を付けて売り出してしまえばすぐに買い手がつく可能性はありますが、損をしてしまいます。逆に相場よりも強気の価格で売りに出した場合、高すぎてなかなか買い手が付かず、結局値下げをしないと売却出来ない、という事にもなりかねません。いくらで不動産を売却したらいいのかは難しい問題ですが、まずはご自身でも相場を確認しておく事をおすすめします。

今住んでいる自宅を売却するのであれば、近隣で売りに出ている同じような物件の売却価格が参考になるでしょう。しかし、より正確な資産価値を知るためには、不動産会社へ査定を依頼し売却予定の不動産を査定してもらうのが良いでしょう。この時1社だけではなく、複数の会社へ査定を依頼する事も大切です。ネット上には無料で簡単に利用出来る一括査定サイトなどもあります。手間が掛からずに査定が依頼出来るので上手に利用してみてください。

売却に掛かる費用に注意

不動産を売却するには費用がかかります。ですから売却した金額すべてがそのまま残る訳ではない事には注意が必要です。

売却の仲介を依頼した仲介業者への手数料、司法書士への手数料、契約に必要な印紙代などです。また購入時よりも値上がりしていた場合には、その譲渡益に対して課税がされます。先ほど新築で購入した場合よりも売却時に値上がりしている事はあまりないとお話しました。売却しても利益がでなければ、ほとんどの場合で譲渡課税される事はないのですが、注意が必要なのが購入時の書類が残っていない場合です。相続の場合、その不動産をいくらで購入したのかの書類がなく、購入金額がわからない場合もあると思います。その場合には売却価格の5%が取得金額とされるので、譲渡課税がかかる可能性が高くなります。売却不動産が自宅であれば「3000万円特別控除」などで軽減が期待出来ますが、自宅以外の不動産を所有していて売却する場合には注意が必要でしょう。また、売却時に国民健康保険に加入している場合には、前年の収入に応じて額が決められるため、売却の翌年だけですが国民健康保険料が上がる可能性があります。

自宅を売却する場合は事前によく計画を

不動産の売却の中でも現在住んでいる自宅を売却するという場合は事前によく計画をしておく事も大切です。

売却後の住まいは持ち家か賃貸か

自宅を売却する場合、売却後の老後の住まいはどうするのがいいのでしょうか。持ち家がいいのか賃貸がいいのか迷われる方もいらっしゃるでしょう。

今は高齢者向けの賃貸住宅などもあり、高齢者という理由で部屋が借りにくいといった事は以前と比べると少なくなってきたようです。賃貸に住む1番のメリットは、ライフスタイルに合せて住まいを変えられるため身軽だという点でしょう。また、固定資産税や住宅ローンを支払う必要もありません。デメリットは、家賃を生涯にわたって支払う必要があるという点です。対して持ち家の場合のデメリットは、住宅ローンや固定資産税を支払う必要がある点です。ローンが残っている場合には完済しないと売却出来ないため住み替えも賃貸と比較すると容易には出来ません。築年数が経った場合に修繕費やリフォーム代がかかる点もデメリットでしょう。メリットはローンを完済した後です。固定資産税やマンションの場合は管理費修繕費などの支払いのみで済むため、家賃と比較すると毎月の出費が少なくて済みます。

どちらがいいのかは、それぞれ生活スタイルやそれぞれの考え方の違いがありますので一概には言えません。またトータルで考えてどちらがお得になるのかはそれぞれケースバイケースになるでしょう。しかし、老後に必要になる資金のみを考えた場合は、より多く必要になるのはやはり賃貸に住む場合になるでしょう。

「老後資金が公的年金だけでは2000万円足りない」と試算が出ている金融庁の報告書ですが、細かく見てみると、平均的な高齢夫婦の1ヶ月の住居費は1万4千円ほどです。少ないなと感じる方も多いかもしれません。総務省統計局調査によると高齢者の約8割が持ち家を所有しています。つまり、月々の住居費が2万円にも満たないという事は、持ち家でローンの返済が終わっているケースを例としているという事になります。ですから、持ち家を売却して賃貸に住み替えを考えている場合は、住居費がこれ以上に必要になりますので、自分の支出に置き換えて老後に必要な支出を計算しておく必要がありますし、老後資金もそれを考慮して準備しておくべきでしょう。

売却が先か、新居が先か

また、自宅を売却する際に先に引っ越し先を決めてから売却するのか、先に売却してから新居を決めるのか、どちらがいいのか迷われるかもしれません。

住み替えが賃貸であるなら、売却が決まってから引っ越すのが一般的でしょう。しかし、新居を新たに購入する場合には不動産会社とも相談して事前に段取りや資金計画を立てておきましょう。先に新居を購入する場合には、時間を掛けて新居を探す事が出来ますし、売却する物件を空にして売却活動を進められる利点があります。しかし、自宅を売却した代金を新居の購入費に充てる場合には、購入を先に決めてしまうと自宅が思うような価格で売れなかったり、そもそも売却出来なかったりした場合には、老後の資金計画を圧迫する要因ともなりかねません。もし資金に余裕がないという場合には特に、新居を先に購入する際には、「期限内に家が売却出来ない場合、新居購入の契約を白紙に戻せる」という買い換え特約を結べるかどうか確認しておくと良いでしょう。ただし、新居の売り手側にはデメリットが多い特約になりますので、必ず結べるものではないという点は注意が必要です。

売却した代金を新居の購入費に充てたい場合には、やはり売却が決まってからの方が安心でしょう。資金計画の面では安心ではありますが、なかなか短期間で希望の物件を見つけることが出来なかった場合には、一時的に仮住まいになる可能性もあります。その場合、仮住まいを借りる必要や、複数回の引っ越しで費用がかかる場合も考えられます。

まとめ

老後2,000万円問題から老後の生活に対する不安を感じて不動産の売却を考えた方も多かったのではないでしょうか。

不動産の価格はその時の景気や市場の状況で上下しています。現在のところは、都市部を中心として不動産価格は上昇あるいは横ばい傾向です。しかしオリンピック後は不透明で、空き家の増加、世帯数の減少、2022年問題など、いくつかの下落要素が存在しています。想定していたような価格で売却できない場合や、需要が合致しなければそもそも売却したくても売れない場合もあるでしょう。

老後の不安を少しでも解消するために不動産を売却する選択をしたら、まずは、正しい資産価値を知るために複数の不動産会社へ査定を依頼しておくと良いでしょう。どこに依頼したらいいのか分からない場合には、物件の所在地や種別を入力すれば優良な査定業者を複数紹介してくれる無料の一括査定サイトがありますので、利用してみてください。

 

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