不動産会社から見る困った売り主とは?

売却の流れと基礎知識

不動産売却一括査定「イエイ不動産売却査定」

中古マンションに住んでいて、家族や自身の事情で住み替えが必要になったとき、まずは売却を考えると思います。売却となると、はたして今住んでいる中古マンションがいくらで売れるのか、まずは査定から始めることとなるでしょう。査定は、今では大手の検索サイトも不動産業者と連携して一括査定サービスを始めているので、出かける必要もなく、自宅で簡単にできます。
さて、査定サイトで数社の不動産業者から査定見積をとり、次は売却を依頼する不動産業者選びというところまできました。不動産の売却は、一生の中でも大きなイベントのひとつです。不動産業者の選定は慎重にならざるを得ません。
と、ここまでは中古マンションを売却する売主側の発想ですが、不動産会社に勤務する、いわゆる仲介業者の方たちは、どのようなことを考えて売却活動しているのでしょう。ここを押さえておけば、仲介業者の担当者の協力を得て円滑に中古マンションを売却できるかもしれません。

今回は、長年不動産関連の営業職に従事していた方の「困った売主」の事例を取り上げて、どういうシチュエーションで、何に困ってしまったのかを見ていきたいと思います。そして、ベテランの不動産営業マンを困らせて売却活動が滞ることのないよう、悪い手本として同じことをしないようにしたいものです。

まず、営業マンとして一番困るのは「売却に際して家族の意見が不一致」です。家族のなかに一人でも中古マンションの売却に反対という人がいると、不動産業者としてはお客さんに案内することはできません。とくに相続した不動産の場合、相続した人全員の承諾がなければ、売買することは不可能です。相続した名義人のなかで一人でも売却に反対する名義人がいたら、その物件がどんなに良くても売却はできませんし、良いお客さんがいても話を進めることはできません。
売却をするということに、家族や名義人など全員の意見が一致していることが必須条件となります。
中には、相続で揉めている最中に不動産業者を訪れて、営業マンに説得してもらおうと考える人もいるそうです。けれども、当然ながらこれは不動産営業マンの仕事ではありません。まずは弁護士や司法書士の事務所に相談すべきでしょう。
次は、売却の際に困るのは「売主の趣味趣向が強い物件」です。
確かに雑誌などでこだわりの家を見るのは楽しいものですが、実際に自分が住むとなると、敬遠してしまうかもしれません。売却の観点からすれば、個性の強くない家のほうが売りやすいし、買いやすいということでしょう。

例えば、3階建ての戸建てでホームエレベーター付きの物件の売却の際には、売主のこだわりだったホームエレベーターの維持管理費が高くて売却に苦労したそうです。結局、この物件に関しては、売り出し当初より300万円の値引きで成約にこぎつけたそうですが、売主のこだわりが強いほど売却に苦労する物件となるそうです。ちなみに不動産の評価が高いのは、間取りや外壁の色などが奇抜なものでなく、ノーマルな物件だそうです。カラオケが趣味で、防音装備を整えたカラオケルームがあったとしても、不動産の評価としてはマイナスになってしまうので、カラオケ好きな方は注意が必要ですね。こうした防音装備つきの部屋や地下室、それに全面ガラス張りのリビングなど、売主がこだわった箇所が多いほど、不動産としての評価は落ちてしまうので、気をつけたいものです。

最後は「購入希望者が現れると価格を上げたがる売主」です。例えば、売り出し後すぐに内覧希望が複数入って数組から買付申込が入った場合などに、値上げをしようとする売主は結構いるそうです。
売主の心情として「もう少し高値で売れたかもしれないのに早まった。」と思う気持ちは十分理解できます。だからといって、値段を上げてはいけません。これをやってしまうと、せっかくの買付を申し出た人たちの気持ちは一気に冷めてしまいます。それに不動産業者の信用問題にもなりますので、不動産業者からはその後、お客さんを紹介してくれなくなる可能性すらあります。
このような事態を避けるためにも売出し価格の設定は慎重に行いましょう。一括査定サイトで中古マンションの査定が出たら、その価格を参考に算定します。売り急いで希望価格よりも安く設定してしまうと、多重申込が入ったときに後悔しますし、高すぎると内覧の希望すら入らないこととなってしまいます。
以上、ベテランの営業マンから見た困った売主をあげてきましたが、営業マンといえども人間です。担当の営業マンに嫌われてしまうと、満足できる中古マンションの売却はできないというのが正直なところではないでしょうか。

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