マンションを売却するとき買取保証はつけた方がいい?メリットとデメリット

中古マンション売却に買取保証は良い?悪い?わかりやすく解説!

中古マンションを売却しようとするときに、「一体いくらで売れるか?」「売れるまでどのくらいかかるのだろう?」「もしずっと売れなかったらどうしよう?」と不安が生まれると思います。
中古マンションを査定して売却しようとする方の中には、住み替えを理由に売却する方が非常に多いです。新たにマンションを購入することを考えると、中古マンションをなるべく高い査定金額がついて欲しいですし、早く売却できた方がいいですよね。長々と買い手を待っている余裕は無いという方もいるかも知れません。
「一定の期間は待てるけど、なるべく早く売れないと困る!」というような場合には、不動産業者の“買取保証”を利用するのも一つの手です。
買取保証とは、ある程度売却する期限を決めてから、中古マンションの査定・売却を開始します。売却の期限になっても買い手がつかない場合には、前もって決めておいた金額で不動産業者がマンションを買い取ります。
中古マンション売却における、保険のような役割を果たします。
この記事では、買取保証の良い点、悪い点、こんな中古マンション売却に買取保証は向いている、などをわかりやすく紹介します。

中古マンション売却の買取保証とは?

 

通常の中古マンション売却と業者による買取を比較してみると


通常ですと、中古マンションを不動産業者に査定依頼し業者が仲介に入り、売却活動を行い、買い手を探します。不動産業者による買取は、不動産業者が中古マンションを買い取ります。不動産業者は買い取った中古マンションを大掛かりなリフォームやリノベーションを行い、売却したり、賃貸に出したりします。

中古マンション売却に買取保証をつけるとどうなるか?


中古マンション売却時には、不動産業者と契約を結びます。これを媒介契約と言いますが、不動産業者との媒介契約には、3種類あります。複数の不動産業者と同時に契約できるのが“一般媒介契約”、一社だけに仲介を依頼する“専任媒介契約”、一社だけに仲介を依頼して業者が見つけた買い手としか取引できない“専属選任媒介契約”があります。
中古マンション売却に、買取保証をつけるには、一社だけに仲介を依頼する“専任媒介契約”か“専属選任媒介契約”を結ばなければいけません。
まとめると以下のようなイメージです。

・一般媒介契約は、複数の業者に仲介を頼むことができ、それぞれが営業努力を行うので多くの買い手の目触れ、売却のチャンスは多い。しかしながら確実に売れる保証はない。
・専任媒介契約に買取保証があると、一社にしか仲介を頼むことはできないため、一般媒介契約よりかは人目に付く機会は減る。しかし、保証があるので、決められた期限内で確実に売却できる。

一般媒介契約であろうと、専任媒介契約であろうと、不動産業者が見られるデータベース「REINS(レインズ)」に物件情報が掲載されることには変わりはありません。
一般媒介契約では複数社が営業努力をしますから売り手側としては数打てば当たる感覚です。不動産業者側からしたら、確実に自社で売れるかはわかりません。営業努力しても他社で売却成立したら売り上げはゼロ。努力が徒労に終わるリスクがあります。
専任媒介契約ですと、一社としか契約しませんから、確実に自社で売ることができますし、利益が確約されているため、営業努力も力を入れてやってくれます。
それでも、期限内に売却することを重視するならば、買取保証を付けましょう。

中古マンション売却に買取保証をつけるメリット・デメリットとは?

 

不動産業者による中古マンション買取のメリット


中古マンションを業者に買取依頼する場合には、「即時買取」と「買取保証」の2種類が挙げられます。

即時買取・・・一般に買い手を探さずに、はじめから不動産業者が直接買い取ること
買取保証・・・期限を設けて、その期間内は一般の買い手を探す。期限までに売却できなければ不動産業者が買い取る。

即時買取でも買取保証の場合でも、確実に売却できるという安心感が魅力です。
また、確実にいつまでに売却できる、ということがわかっているため、先々の売買スケジュールが立ちます。そのため新しい家に引っ越してもお金の心配がなくなります。
また、瑕疵担保責任もなくなります。売却後に重大な欠陥が見つかった場合に、売り主が修繕しなければなりませんが、業者による買取には瑕疵担保責任は付帯しませんから、売り主はお金を出さずにすみます。
業者によっては仲介手数料無料になるところもあります。
また、近所に知られずに売却したい場合にも、買取保証は向いています。売却に広告活動を行わないため、中古マンション売却を周囲には内緒にできます。

中古マンション買取のデメリットとは?


買取保証いいね!と思うかもしれませんが、しかしながら、大きなデメリットがあるのです。
買取保証のデメリットとして、査定金額どおりには売却できない、ということです。
買取保証により業者買取する場合に、査定金額の80〜90%に値下げされた金額で買われてしまいます。
不動産業者は、中古マンションを安く買って手直し後高く売り、利益を出そうとするためです。
せっかく、複数社に査定を依頼して決めた売却かかくなのに、短期間の売却活動に加えて若干安く買い取られてしまうのはもったいない話です。
また、最初に安い金額で売却を始めてしまうと、業者買取される時点でさらに安く買われてしまいます。このようなことを防ぐためには、自身の中古マンションと類似の物件の売買を調べて相場を知っておくことが大切です。

買取保証をつけるのに向いている中古マンションとは?


あなたの売却したい中古マンションが、都心の駅近で50㎡以上、築年数も浅いなど好条件の中古マンションでしたら、買取保証がなくとも、早い段階で買い手が見つかることだろうと思います。買取保証をあてにすることで、安く売却することにもなりますから、人気の高宇条件を兼ね備えている物件でしたら、通常通り不動産業者に仲介を頼み、早く売却できるよう営業マンに交渉しましょう。
「買取保証をつけようかな」と迷うのは上記とは逆のマンションや、以下のような場合です。

・駅から遠い、築年数が古い、50㎡以下など、売れにくい中古マンション
・春先の転勤などにより、急に引っ越さなければならなくなり、新居も購入してしまい、なるべく早く売却できないと困る場合
・地価が下落してしまい、さらに下がり続けている立地の中古マンション

以上のように、一般的な方法でマンション査定・売却しても、長々と待つのみで価格を下げざるを得ないとか、いつまでに確実に売却したいと決まっている場合などは、買取保証が効果的です。

中古マンション売却時の買取保証の条件


前述のとおり、買取保証をつけるためには専任媒介契約をしなければいけません。その他にも以下のような条件があります。

・40平米以上の中古マンション
・1981年以降に建てられた中古マンションであること
・保証される金額は1億円以内。査定価格のうち何%で買い取るかは各業者による。(主に80〜90%以下)
・買取保証の期限は3か月(3か月間売却のため営業努力してくれる)

買取保証をつけるかつけないかはじっくり考えましょう


買取保証を付けると、確実に3か月で売れるのはうれしいですね!しかしながら、当初の査定金額よりも安い金額での売却になってしまうので、よく考えてください。
もしも、あなたが中古マンション売却をして、4月から新居での新生活をスタートさせようと思っている場合には、買取保証はちょっと待ってください。
4月は1年でもっとも引っ越しをする人が多い時期ですので、不動産も活発に売買が行われます。中古マンションを査定金額が一番高いのもこの時期で、1月~2月に売却活動を行い、3月に売り抜けることも夢ではありません。
仮に、あなたの中古マンションが、駅から遠い上に郊外にある場合でも、近所に学校、病院、保育園、スーパー、コンビニがあるなど、利便性は申し分ない場合には、思いのほか高い価格で早く売却できる可能性もあります。
一概に、売れないだろうとあきらめて、買取保証を付けてしまうと、損をしてしまうかもしれません。

まとめ


以上、中古マンション売却の際の買取保証についてお話させていただきました。
まずは、自身の持つ中古マンションが、買取保証をつけなければ売却できないのか、慎重に検討しましょう。そのためには、まず相場を知ること!一番簡単な方法は、インターネットの無料一括査定サイトを利用することです。
インターネットで、しかも無料ではありますが、立地や広さ、間取りなど、査定項目は必要十分備えています。一社一社査定を依頼していては、手間がかかります。中古マンションの売却で大変なことは、むしろこれからはじまりますから、まず相場を簡単に素早く知るためにもインターネット一括査定サイトの活用をおすすめします。
また、査定は必ず、複数の不動産業者や仲介業者に依頼しましょう。「試しに1社査定を依頼したらとても営業マンが良い人だった。この会社に売却依頼をしよう」と思っても、あなたの中古マンションに最適な不動産業者とは限りません。査定金額も他者よりも安いかもしれません。
大手には大手の得意なマンションがありますし、地元の不動産業者ですと、地域の客層に詳しく少々難のある物件でも上手に売却してくれる場合もあります。
不動産業者を比較して査定金額を見比べることも重要です。極端に安い査定金額、高い査定金額を出す業者は注意が必要です。
不動産業者を選定する際に、通常の手段では、だいたいどのくらいの期間で売却できそうか各社尋ねてみてもいいですね。どの業者も難色を示すような中古マンションでしたら、買取保証を検討してもいいかもしれません。
筆者としては、実際の査定金額より買取金額がダウンしてしまう点がもったいないと思います。もしも買取保証をつける前提で査定・売却に臨むなら、ダウンする金額の幅も加味してより高い査定金額を出してくれる不動産業者と契約したいところですね。