マンション売却の内覧件数の目安|成約まで何件必要?対策も解説

内覧のポイント

「内覧の申し込みが入ってはいるが、なかなか成約まで進まない」「そもそも何件内覧があれば売れるのか?」と悩んでいる売主様は少なくありません。本記事では、中古マンション売却において成約に至るまでの内覧件数の目安と、件数を活かして成約率を高めるための具体的な方法を解説します。

中古マンション売却:成約までの内覧件数の目安

「何件内覧があれば売れるのか」は、多くの売主様が最初に知りたい情報です。実際のデータをもとに解説します。

平均内覧件数は6〜10件が目安

不動産流通推進センターの消費者動向調査によると、中古マンションの成約に至るまでの内覧件数は平均6〜10件程度が目安とされています。月に2〜3件のペースで内覧が入れば、売り出しから2〜3か月程度で成約に至るケースが多いといえます。

ただし、これはあくまで平均値です。立地・価格・物件状態によって大きく変わります。以下の表を参考にしてください。

  • 人気エリア・築浅・適正価格: 1〜3件で成約(2〜4週間)
  • 一般的な条件の物件: 6〜10件で成約(2〜3か月)
  • 立地・築年数に課題あり: 15〜20件以上(4〜6か月以上)

内覧件数より「成約につながる内覧の質」が重要

内覧件数を「多ければ多いほどよい」と考えている売主様も多いですが、実は件数よりも「各内覧から何を得てどう改善するか」の姿勢が成約への近道です。

たとえば、内覧が来るたびにフィードバックを収集し、同じ指摘が2〜3回続けば即座に対策を打つ。このサイクルを回せる売主とそうでない売主では、同じ10件の内覧でも成約率が大きく異なります。「件数を増やすこと」ではなく「1件1件から学ぶこと」に集中しましょう。

内覧申込みが入らない場合の原因と対策

売り出しから1か月以上経過しても内覧の申し込みがほとんどない場合、以下の原因が考えられます。

内覧が入らない3大原因

内覧が来ない理由は「価格」「写真」「情報量」の3つに集約されることがほとんどです。

  • ①価格が相場から外れている(最多): 購入希望者は価格帯でまず絞り込みます。売り出し価格が相場より5〜10%高いだけで、検索結果に表示されても「いつか下がるのを待とう」という判断をされてしまいます。REINS(不動産流通機構)の類似成約事例と自社物件の価格を改めて比較してみましょう。
  • ②物件紹介写真が魅力不足: 内覧は「物件情報を見て気になった人が来る」行為です。暗い・狭く見える・散らかった室内の写真は、内覧申込みを大幅に減らします。明るい時間帯に広角で撮り直してもらうだけで劇的に改善するケースがあります。
  • ③物件の特長が伝わっていない: 同エリア・同価格帯の物件と並んだとき「なぜここを内覧しなければならないのか」が伝わらないと埋もれてしまいます。リフォーム歴・管理状態・周辺環境の具体的な魅力を文章化して掲載情報に加えましょう。

改善アクションの優先順位

上記3つの原因に対して、効果の出やすい順番で対策を打ちましょう。

  1. まず確認: 直近3か月のREINS成約事例と自物件の売り出し価格のギャップを確認する
  2. 写真撮り直し依頼: 不動産会社に「広角レンズ」「晴天時」「全照明点灯状態」での撮影を要請する
  3. 掲載情報の更新: 「リノベ済」「眺望良好」「管理良好(修繕積立金◯円)」など具体的な特長を5点以上記載する
  4. 価格見直し: 上記3つを試してもなお動かなければ、3〜5%の値引きを検討する

「囲い込み」が原因で内覧が来ていない可能性

価格・写真・情報量の3点を改善してもなお内覧が入らない場合、不動産会社による「囲い込み」が原因になっているケースがあります。囲い込みとは、専任媒介契約を結んだ後に他社からの紹介を故意にブロックし、自社で買主も見つけることで仲介手数料を両取りしようとする行為です。

以下のサインが複数当てはまる場合は囲い込みを疑いましょう。

  • REINS(不動産流通機構)への登録が遅い: 専任媒介契約締結後、7営業日以内に登録証明書が届かない場合は要確認。一般媒介なら5営業日以内
  • 内見問い合わせを担当者が断っている気配がある: 「他社から問い合わせが来ない」と言われるが、レインズ登録ページを自分で確認すると情報が薄い
  • 担当者が「弊社に良い買主候補がいます」と言い続ける: 自社客付けを優先している典型パターン

囲い込みが疑われる場合は、レインズの「登録証明書」を担当者に請求するか、一般媒介契約への切り替えを検討してください。専任媒介から一般媒介に変更すると複数の不動産会社が同時に活動でき、内覧申込みが増えることがあります。

内覧件数は多いのに成約しない場合の対処法

内覧は月3〜4件入っているのに成約しない……このケースは「価格以外の問題」が根本にある可能性が高いです。

内覧後フィードバックを必ず収集する

成約しなかった理由を把握しなければ、改善の手が打てません。内覧後は必ず担当営業マンを通じて「なぜ成約しなかったか」を収集してもらいましょう。主なパターンとその対処法を整理します。

  • 「間取りが希望と合わなかった」: 集客対象が合っていない可能性。間取り・生活スタイルでのターゲット絞り込みを見直す
  • 「日当たりが想像と違った」: 写真と実物のギャップ。内覧時間帯を午前中に固定するなどの工夫を
  • 「価格が予算を超えていた」: 価格見直しのサイン。同じ指摘が3件続いたら価格改定を検討する
  • 「設備が古かった」: 築年数なりの価格設定になっているか再確認。リフォームよりも値引き対応が合理的なケースも

価格見直しのタイミングと目安

内覧件数が6〜8件に達しても成約に至らない場合は、価格が成約の障壁になっている可能性が高い段階です。以下のサインが出たら価格見直しを検討しましょう。

  • 内覧後に「価格を下げてもらえれば」というフィードバックが複数来た
  • 内覧件数は確保できているが、二次内覧(再訪)がゼロ
  • 売り出しから3か月が経過した(REINS の登録情報がリセットされるタイミング)

値下げの幅は一度に3〜5%(3,000万円なら90〜150万円)が目安です。「大幅値引き」は「何か問題がある物件」という印象を与えかねないため、小幅な改定を2〜3回に分けて行うほうが心理的抵抗が少なくなります。

不動産会社と連携して内覧件数を最大化する

成約率を高めるためには、売主一人の努力だけでなく、不動産会社との密な連携が不可欠です。以下の3点を担当者に依頼・確認しましょう。

週次報告を義務付けて数字で判断する

売却を依頼したら「あとは任せた」ではなく、週に一度の活動報告を担当者に求めましょう。確認すべき指標は次の通りです。

  • 掲載ページのPV数(閲覧数)
  • 内覧申込み件数(先週比・先月比)
  • 内覧後のフィードバック内容(理由別件数)

数字が停滞している週が2週間続いたら、物件情報の見直し・価格検討・掲載サイトの拡充を相談するタイミングです。感覚ではなく数字で動くことが、早期成約への近道です。

季節・時期による内覧件数の変動を知っておく

東日本不動産流通機構(REINS)のデータによると、中古マンションの成約件数は季節によって差があります。

  • 繁忙期(2〜3月): 年間で最も成約件数が多い。内覧申込みも増える
  • 閑散期(8月・年末年始): 成約件数が一時的に落ち込む
  • その他の月: 比較的安定している。繁忙期ほど差はない

3月の繁忙期に成約させたい場合、少なくとも1月初旬には売り出しを開始しておく必要があります。内覧〜成約まで平均2〜3か月かかることを念頭に、逆算して動き始めることが重要です。

内覧件数が伸びないなら媒介契約の見直しも選択肢

3か月以上売れない・内覧が月1件以下・価格も適正と思われる……という状況が続く場合は、不動産会社そのものを変えることを検討すべきタイミングかもしれません。

媒介契約には3種類あり、それぞれ特性が異なります。

  • 専任媒介(最も多い): 1社のみと契約。担当者のモチベーションが高くなりやすいが、囲い込みリスクもある。有効期間は最長3か月
  • 専属専任媒介: 専任媒介より制約が厳しく、自己発見客への直接売却も禁止。買主を自分で見つけることもできなくなる
  • 一般媒介: 複数社と同時契約可能。競争原理が働き、各社が積極的に買主を探す。内覧件数が伸びやすいが、1社あたりの熱量が下がる可能性も

専任媒介で3か月成果が出ない場合は、契約満了を機に一般媒介に切り替えて複数社へ依頼するのが有効な選択肢です。契約期間中の解約は違約金が発生することがあるため、期間満了のタイミングを見計らうようにしましょう。

まとめ:内覧件数の目安と成約への活かし方

中古マンションが成約に至るまでの内覧件数は平均6〜10件、期間は2〜3か月が目安です。ただし、この数字にこだわりすぎず、各内覧からフィードバックを得て改善サイクルを回すことが成約への近道です。

内覧が入らない場合は「価格・写真・情報量」の3点から改善を始め、内覧があるのに成約しない場合は「フィードバック収集と価格見直し」を実践してください。

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※本記事は監修者「森(株式会社スマートアンドカンパニー専任 宅地建物取引士)」のレビューを経て公開しています。記載の税制・法改正情報は2025年時点のものであり、個別の判断は最新の国税庁タックスアンサーおよび専門家への相談を推奨します。