中古マンション売却査定のポイント(58)信頼できるマンション業者

不動産会社の選び方

査定額が高いA社と丁寧な応対のB社、どっちがいいの?

 

長年大切にしてきた中古マンションを売却することになりました。できるだけ高く売却したいと思っています。いくつか不動産業者に問い合わせをしてみました。あなたならA社とB社、どちらの不動産会社にマンション売却を任せますか?

A社:このマンションは中古でもとても人気があり、お部屋の中も大変きれいに使われていますので他のマンション業者で出ている査定額よりも高くさせていただきます。

B社:査定額は他のマンション業者ほど高くは出せません。けれども、販売価格のことやご売却のことでご心配な点、そのほかわからないことがありましたら小さなことでも構いませんのでお話しください。

さて、自分に合った不動産会社を選ぶにはいくつかポイントがあります。ここでのポイントは、「売却するマンションの査定額の高さ」か「担当者の対応」かです。売却を依頼するマンション業者を選ぶとき、どちらをより重視するべきなのか考えてみます。

「査定額=売却価格」本当にそうなの?

 

査定額ってことはそのまま売却価格と思っていませんか?それは違います。
まず大事なポイントとしては、「査定額が売却価格になるとは限らない」ということ。
少しでも高い査定額を出してもらって、少しでも高く売却したいと思っている場合、中古であっても査定額を高く出してくれたA社に任せた方が、あなたのマンションを高く売却してくれるように感じますよね。そこが注意すべき点です。はじめに出してもらった査定額で売却できるという保証はどこにもないのです。
マンション業者は媒介契約を結びたいために、実際の査定額の相場よりも高く査定額を提示してくることも実はよくある話です。

はじめに査定額を高く出してきたA社と媒介契約を結んだけれど、契約後に「この価格だとご売却は難しいと思います。思いきって値段を下げませんか?」と促され、その結果、当初自分が思っていた価格よりも安い価格で売却することになってしまったというケースがあります。
高い査定額になる説明や他との比較などきちんとした説明もなく、他よりも高い査定額を出すマンション業者は、一度思いとどまって考え直したほうが良いかもしれません。

査定額でしか売却価格は決められないの?

 

丁寧な応対をしてくれるB社へ売却の依頼をした場合、査定額が自分の持っていたよりも安い価格でも、その価格で売却しなければいけないのでしょうか?それも違います。
その場合、担当者がはじめに出した査定額を、売却価格にしなければいけないわけではありません。売却価格を決定するのは売主であるあなた自身です。
この場合も高い査定額を出したA社のときと同じように、「査定額=売り出し価格・売却価格」ではありません。
マンション業者がいろいろなデータを調べて出す価格が査定額ですが、あくまでも査定であり、いくらくらいと決めていた売却価格があるのであれば、思い切って相談してみましょう。話を聞いて、売却価格の相談に乗ってもらえるでしょう。販売価格の決定は両者の歩み寄りが大切です。そして最終的に販売価格を決めるのは、売主であるあなたなのですから。

自分に合った信頼できるマンション業者と出合う

 

両者の歩み寄りといいましたが、信頼できる自分に合った担当者であれば、大切なあなたの中古マンションを、少しでも高く売却できるようにと一緒に考え、動き、きちんと時間をかけてくれるでしょう。良いペースを守り、あなたの志や要望を反映させる努力をし、きちんと話を聞いた上で、専門的なことを含めて適切なアドバイスや、納得のいく販売価格を決めてくれるはずです。
あなたの大切な資産であるマンションの売却です。売り主の希望や意見にまったく耳をかさないようなマンション業者やその担当者には、売却を任せない方がよいのは言うまでもありません。

査定を依頼する信頼できるマンション業者と出合い、そしてあなた自身が納得する売却価格での契約ができるかどうかが、中古マンションのスムーズな売却へのカギです。あなたのマンションが安く売却され損をしてしまうといった悔しく悲しいことが起きないよう、売却を任せるマンション業者を選ぶときは、慎重に見極めることは大切なポイントです。