親の持っているマンションを子どもが売却する方法は?贈与税を節税する方法

相続した不動産売却のポイント

不動産売却一括査定「イエイ不動産売却査定」

親の持っている中古マンションを子が売却することはできるのか?また贈与税は?徹底解説!

 

現在の日本は子供が少なく高齢者が多い、少子高齢化社会です。この現象は今後ますます加速度を増していくことでしょう。
こと、不動産に関しては、親が持っている中古マンションなどの不動産をどうするか?で頭を悩ませることになります。
親が住んでいる中古マンションを査定・売却したいと言っているが、子が代わって手続きを進めてもよいのだろうか?と思った方はかなり鋭いです。判断力の落ちた親に代わって、良かれと思って許可なく中古マンション売却手続きを行ってはいけません。ちなみにその際、後述で詳しく書きますが、家庭裁判所に、代理権の許可を求めなければなりません。この代理権を取ることを知らずに手続きを進めていたとしても、あとから親が認める“追認”もできますから安心してください。
そして、中古マンション等を査定・売却して得たお金をどうするのか?ですが、親が了承していれば、子の口座に入金してもよいのでしょうか?答えはNOです。親子といえども、親の中古マンションは親のものですので、査定して売却後得たお金も親のものなのです。ここで、子供の口座に入れてしまうと、多額の贈与税が発生します。
ひとまず、ざっくりと説明しましたが、この記事を読んでいただくと、親名義の中古マンションの査定・売却を子が行う方法や、贈与税がかかるならばいくらになるのか、贈与税がかからない方法はあるのか、について詳しく知ることができますよ。

親名義の中古マンションを売却するには、“代理権”が必要


親名義の中古マンションは、子であっても勝手に売ってはいけません。きちんと手続きを踏んで、“代理権”がなければならないのです。
代理人は、中古マンションを所有している親本人に代わって査定から契約まで手続きのすべてを行いますが、本人の意志が尊重されます。
代理権には2種類あり、“任意代理”と“法定代理”です。まず、任意代理は、親の意志により委任状を買いて子を代理人にする方法です。また、法定代理は、法律の規定を用いて代理人にする方法です。
法定代理とは、親が痴呆や病気などで判断能力が衰えてしまった場合や、子が未成年の場合などに適用されます。法定代理で代理権を得るには、家庭裁判所の許可が必要です。
子が親に代わって、親名義の中古マンションを査定・売却する手続きの流れは以下です。
①親が成年被後見人になる。
②子が家庭裁判所から選任を受けて、成年後見人になる。
③中古マンション査定・売却の手続きを進め、売買契約の話を詰めておき、売買契約書の写しを用意する。
④家庭裁判所に、売買契約書の写しを添付し、居住用不動産処分許可の申し立てをする。
以上の手順を行うことで、親名義の中古マンションを売却することができます。注意していただきたいのは、家庭裁判所に居住用不動産処分許可の申し立てをし認められると、以降、不動産契約の変更はできなくなる点です。

親に代わり、代理権のある子が苦労して中古マンションを売却成功できても、親名義の中古マンションを売却して得たお金は親に帰属します。代理権はお金ももらってもいいものではないのです。

もしも代理権がないまま、親名義の中古マンションを売却すると無権代理になります。
無権代理でも、親があとから代理権を認める、追認をすれば、無権代理の場合、親が追認をすれば、契約時にさかのぼって代理権が認められます。

親名義の中古マンションを子に贈与するのは、売却する前か後、どちらが得?


親名義の中古マンションを売却した場合に、得たお金を子供の口座に入金すると、親から子への現金の贈与、となります。
また、親名義の中古マンションを売却せずに、そのまま子に与えるのは不動産の贈与になります。
では、現金の贈与と不動産の贈与ではどちらが得なのかかんがえてみましょう。

2-1.現金の贈与の場合にかかる贈与税
親名義の中古マンションを査定・売却したとします。その売却金額は3000万円としましょう。その3000万円は子の口座に振り込まれたとします。その場合の贈与税は以下のように算出されます。

(贈与を受けた金額)-(基礎控除額)-(特例税率)×(一般税率)
3000万円 - 110万円 × 税率50%- 265万円  = 1180万円

親名義の中古マンションを査定・売却したら、3000万円になりそれを全額子の口座に入金した場合の贈与税は、1180万円もの金額になりました。売却して得たお金の3分の1ものお金が税金で持っていかれてしまいます。
この計算でわかるように、贈与税は高い税率が設定されています。これには理由があり、安易な贈与を防ぐためのようです。

2-2.親名義の中古マンションをそのまま譲り受ける場合の贈与税
中古マンションなどの不動産を贈与する場合に、その不動産の価値に税金がかけられます。この値は、“相続税評価額”が当てはまります。
相続税評価額を算出するには以下の項目を見て考えます。
・土地の路線価額
・土地の公示価額
・建物には、固定資産税評価額
中古マンションの場合、土地の占有部分と共有部分があると思います。これについては、登記簿謄本に書いてあります。
この場合ですと、複数社査定して条件の良い仲介業者に売却をいらした場合に高値で売れるとそれだけ贈与税も高くつきますが、不動産の相続税評価額は、実際の売却金額よりも安いことが多いようです。そのため、不動産をそのまま相続した方が若干の節税になるかもしれません。しかしながら、中古マンションを贈与された場合に、現金は手元にありませんが、多額の贈与税が課されます。贈与税は5年以内に支払いを終えなければいけません。年率も高いです。果たしてこれが得策かどうかはよく考える必要があります。

贈与税を節税する方法


親名義の中古マンションを売却してからお金を得ても、現金化しないで不動産の状態で贈与されても、同じように贈与税がかかります。
そのとても高い贈与税をなんとか安く済ませる方法はないのか説明します。

3-1. 相続時精算課税制度を利用する
相続時精算課税制度とは、親が生前に贈与した財産を、亡くなった時にまとめて相続できる制度です。年齢に決まりがあり、60歳以上の父母(または祖父母)から成人の子(または孫)に対して認められます。
相続時精算課税制度は、2500万円の控除が認められますから、中古マンション売却で得たお金が3000万円の場合、残りの500万円が相続税の対象になります。500万円にかかる相続税の税率は10%ですから、50万円の相続税を支払えばよい、ということになります。
ただ、この相続時精算課税制度には注意しなければいけない点があります。
・一度、相続時精算課税制度を利用すると、親などが死去するまで贈与された財産は加算されていく。財産が多い場合には要注意。
・贈与の非課税枠である110万円が使えなくなる。
・土地であれば、小規模宅地等の特例が使えない
などです。

3-2.相続税は贈与税に比べると、非常に安い
相続税は贈与税よりもはるかに安い税率です。相続時精算課税制度は生前贈与する際に2500万円の控除を認めていますが、親が亡くなった時点で財産を相続するときのほうが控除金額は高いです。
相続税は相続する金額が、「3000万円の基礎控除+600万円×相続人の人数」より高い場合に課税されます。
先ほどの「中古マンションを売却して得たお金が3000万円」を例に挙げて計算してみます。(例えば相続人は3人とします)
3000万円+600万円×3人=4800万円です。
しかしながら、相続する金額は3000万円で、4800万円より低い金額になりますから、課税の対象にはならない、となります。今すぐ現金が必要でなければ、相続できるタイミングまで待つ方が節税になると言えます。

贈与税を抑えて中古マンションを売却する手段


以上で、贈与税と相続税のお話をさせていただきましたが、次は、どうしても親が元気なうちに中古マンションを査定・売却したい方向けに、贈与税を課税されない方法を考えてみたいと思います。

4-1親名義の中古マンションを子に売却する方法
これは親名義の中古マンションを、子へ売却し、名義を変更します。そして第三者に売却する手段です。
この場合、親から子へいくらで売却するのかがネックになりますが、親子間のように価格を自由に決められるような関係性では、勝手に中古マンションに価格をつけて売却してはいけません。
この際には、不動産鑑定士による鑑定評価書を取得することが必要になります。その鑑定評価額に基づいて売買しなければいけません。
この鑑定評価書は有料で、不動産の価格によって値段が変わります。
親名義の中古マンションを子へ売却すると、贈与を疑った税務署から連絡が来ます。
その際、先ほど取得した鑑定評価書を提示しましょう。その価格で取引したことを示せば、贈与認定とはなりません。
しかしながら、鑑定評価書も優良ですし、なおかつ、鑑定評価額で親子で取引すると利益もでません。中古マンション取得には、不動産取得税もかかってきますから、多くの出費が強いられます。あまりお勧めではない方法と言えるでしょう。

4-2親名義の中古マンションがタワーマンションの場合
タワーマンションの高層階を親が購入し、それを子に贈与し、子がその後売却するという贈与税対策が少し前に話題になりました。
タワーマンションの高層階の相続税評価額は安く、相続時精算課税制度などを組み合せると子は無償でマンションを手に入れることができました。その後売却できたら、贈与税はなしに子は利益を得ることができたのですが、一頃横行したため、今では、税務署も目を光らせているようですから難しいでしょう。
タワーマンションばかりではなく、中古マンションを贈与した後に短期間で売却する場合にも、税務署に脱税を疑われます。

以上のように、少し贈与税を回避する方法を探ってはみましたが、脱税する手段を探すようなもので「そもそもそのような方法は無い」と考えてよいでしょう。

まとめ

以上のことから、親名義の中古マンションを売却したお金を子の口座に振り込むと、贈与税が発生するということをお話させていただきました。はっきり言って、贈与税や相続税から逃れる方法はないと言えます。脱税の方法を探るよりも、大人しく税金を払う方がフェアです。しかしながら、贈与税よりも相続税のほうが安く税金を抑えられるなど、節税の方法はいくつかありますから、ご自身に合った節税方法を探してみて下さい。
親の介護老人福祉施設の入居代にする場合でしたら、親の口座へ入金しても使えるはずです。まずは、親御さんのシニアライフがよりよいものになるように、お金を使う手助けをしてあげてはいかがでしょうか。贈与税を1000万円もはらうなんて、非常にもったいない話です。
また、老齢の親の介護老人福祉施設入居に、中古マンション売却したお金を充てたい場合には、やはり、より高く売れる必要があると思います。そのためには、複数の不動産業者や仲介業者に、査定を依頼して取り寄せることをお勧めします。一社ですと、偏った査定結果になり、その会社が良い会社か悪い会社かも判断できません。親のマンションを熱意をもって売却してくれる不動産会社や営業マンに出会えるきっかけにもなりますよ。
複数社に査定を依頼する場合には、インターネットの一括査定サイトが便利ですからぜひご利用ください。
以上、中古マンション売却と贈与税についてお話させていただきました!読んでいただきありがとうございます。

タイトルとURLをコピーしました