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執筆:株式会社スマートアンドカンパニー 編集部(収益物件の買取・再販)
最終更新:2026年9月13日。記載の制度は2026年9月時点のものであり、保険料の算定方法・軽減判定の基準は自治体・年度によって異なる場合があります。個別の金額は必ずお住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口にご確認ください。
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出ると、「翌年の健康保険料や介護保険料が上がる」という話を聞いたことがある方もいるでしょう。
実際には、誰にでも当てはまる話ではなく、加入している保険の種類や年齢によって仕組みが異なります。
今回は、不動産会社であるスマートアンドカンパニーが、不動産売却と健康保険料・介護保険料の関係について、見落とされがちな注意点も含めて詳しく解説します。
この記事では以下を知ることができます。
・不動産売却で保険料が上がる可能性があるのはどんな人か
・介護保険料は年齢によって算定の仕組みが違うこと
・「特別控除を使えば保険料は上がらない」が必ずしも正しくない理由
・対象になる主な特別控除の種類
なぜ不動産売却で保険料が上がるのか
国民健康保険料や後期高齢者医療保険料、介護保険料(40歳以上)は、前年の所得に応じて金額が決まります。
給与所得や事業所得などに加え、不動産を売却して生じた利益(譲渡所得)も、この「所得」に含まれます。
そのため、不動産の売却によって譲渡所得が発生すると、翌年度の保険料の算定基礎となる所得が増え、結果として保険料が上がることがあります。
ここで重要なのは、この保険料の算定に使われる所得は、税金(譲渡所得税)を計算するときと同じく、3,000万円特別控除など税制上の特別控除を適用した"あと"の金額が使われるという点です(現行制度)。
つまり、特別控除によって譲渡所得税がかからない人は、その分だけ保険料の算定基礎も抑えられます。ただし、これには後述する重要な例外があります。
対象になる人・ならない人
不動産を売却しても、加入している保険の種類によっては保険料に影響がない場合があります。
影響を受ける可能性がある人
- 国民健康保険(自営業・年金生活者など)に加入している人
- 後期高齢者医療制度(原則75歳以上。65〜74歳でも一定の障害があると認定された場合は対象)に加入している人
- 家族の健康保険の被扶養者になっている人(譲渡所得が一定額を超えると扶養から外れる可能性)
原則として影響を受けない人
会社員が加入する健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)や、公務員が加入する共済組合の保険料は、給与を基にした「標準報酬月額」で決まります。不動産売却による譲渡所得は、この標準報酬月額の算定には含まれません。
そのため、会社員・公務員は、不動産を売却しても健康保険料そのものが上がることは原則としてありません(住民税は別途上がります)。
介護保険料の算定は年齢で仕組みが違う
「介護保険料」とひとくくりに語られがちですが、40歳を境に算定方法が変わります。
| 区分 | 対象年齢 | 算定の仕組み |
|---|---|---|
| 介護保険 第2号被保険者 | 40歳以上65歳未満 | 加入している国民健康保険・健康保険の保険料に上乗せして徴収(国保加入者は譲渡所得の影響を受けうる) |
| 介護保険 第1号被保険者 | 65歳以上 | 国保・後期高齢者医療とは別建てで、市区町村が所得段階別に個別算定 |
65歳以上の人は、国民健康保険や後期高齢者医療保険料とは別に、介護保険料そのものが所得段階に応じて市区町村ごとに算定し直されます。譲渡所得が発生すると、この所得段階が上がり、介護保険料も上がることがあります。
「特別控除を使えば保険料は上がらない」は正確ではない場合がある
3,000万円特別控除などを使って譲渡所得税がゼロになれば、保険料も上がらないと考えがちですが、実はここに見落とされやすい例外があります。
前述のとおり、実際に支払う保険料の算定基礎になる所得は特別控除を適用した"あと"の譲渡所得です。しかし国民健康保険料には、世帯の所得が一定以下の場合に均等割(世帯の人数に応じてかかる部分)を7割・5割・2割軽減する制度があり、この軽減の対象になるかどうかを判定する所得(軽減判定所得)は、特別控除を適用する"前"の譲渡所得で計算されるという違いがあります。
つまり、次のようなことが起こり得ます。
↓
しかし軽減判定所得は控除"前"の譲渡所得(例:売却益2,000万円)で判定される
↓
これまで均等割の軽減を受けていた世帯が、売却した年だけ軽減の対象から外れ、保険料が上がることがある
「特別控除を使ったのに保険料が上がった」というケースの多くは、この軽減判定所得の仕組みが原因です。低所得の世帯ほど影響が大きいため、不動産の売却前に、お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口で「軽減判定への影響」を確認しておくことをおすすめします。
対象になる主な特別控除
保険料の算定基礎(賦課算定基礎)に反映される、代表的な特別控除は以下のとおりです。いずれも適用要件が細かく定められているため、詳細は国税庁のタックスアンサーで確認してください。
- 居住用財産を売却したときの3,000万円特別控除(マイホームの特例)
- 被相続人の居住用財産(空き家)を売却したときの3,000万円特別控除(要件・期限あり)
- 収用等により土地建物を売却したときの5,000万円特別控除
相続した空き家の売却を検討している場合は、この特例の適用要件や期限について、相続した不動産の売却|押さえるべき3つの期限と遺産分割・税金の実務もあわせてご確認ください。
不動産売却にかかる税金は、譲渡所得税だけでなく印紙税・登録免許税・住民税など多岐にわたります。全体像はマンション売却における「消費税」「印紙税」「登録免許税」「譲渡所得税」「住民税」を解説で解説しています。
保険料への影響を事前に把握するには
保険料への影響は、売却価格・取得費・保有期間・適用できる特別控除の有無によって大きく変わります。正確な譲渡所得の見込みを把握するには、まず売却価格の目安を知ることが出発点になります。
リビンマッチ不動産売却 なら、土地・戸建て・マンションを問わず複数社の査定をまとめて依頼できます。査定額が分かれば、譲渡所得の概算をもとに、お住まいの市区町村窓口へ保険料への影響を具体的に相談しやすくなります。
不動産売却と健康保険料・介護保険料に関するよくある質問
Q. 会社員でも健康保険料が上がることはありますか?
A. 協会けんぽ・健康保険組合に加入する会社員の健康保険料は標準報酬月額ベースで決まり、不動産売却の譲渡所得は算定に含まれないため、原則として健康保険料は上がりません。ただし住民税は所得に応じて上がります。
Q. 3,000万円特別控除を使えば保険料は上がらないと言い切れますか?
A. 必ずしもそうとは限りません。実際に払う保険料の算定基礎は特別控除後の所得を使いますが、国民健康保険料の均等割軽減(7割・5割・2割)の判定は特別控除"前"の所得で行われるため、控除で税金がゼロになっても、その年だけ軽減の対象から外れて保険料が上がる場合があります。
Q. 介護保険料は何歳から不動産売却の影響を受けますか?
A. 40歳以上が介護保険料の対象です。40〜64歳(第2号被保険者)は国民健康保険料に上乗せする形で、65歳以上(第1号被保険者)は市区町村が別建てで所得段階に応じて算定するため、譲渡所得が発生するとどちらも影響を受ける可能性があります。
Q. 保険料への影響を事前に知る方法はありますか?
A. 売却予定の物件でどの程度の譲渡所得・特別控除が見込めるかを試算したうえで、お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口に相談するのが確実です。軽減判定への影響は自治体ごとに窓口で個別に確認できます。
まとめ
不動産売却と健康保険料・介護保険料の関係について、ポイントは以下となります。
・介護保険料は40〜64歳と65歳以上で算定の仕組みが異なる
・3,000万円特別控除などで税金がゼロになっても、国民健康保険料の均等割軽減は控除"前"の所得で判定されるため、保険料が上がることがある
・正確な影響を知るには、売却価格の目安を把握したうえで市区町村の窓口に相談するのが確実
本記事は株式会社スマートアンドカンパニー 編集部(収益物件の買取・再販)が、厚生労働省・国税庁の公表資料および各自治体の国民健康保険料算定に関する公開情報を確認して作成しました。記載内容は2026年時点のものであり、保険料の算定方法は自治体・年度によって異なる場合があるため、個別の判断はお住まいの市区町村窓口および税理士への相談を推奨します。




