山林を相続したらどうする?有効な土地活用とは

相続した不動産売却のポイント

相続による山林所有

相続する遺産は家屋や株、現金だけではありません。ときには山林を相続する場合もあることでしょう。しかしながら、いきなり山林を貰っても、どのように土地活用すれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。山林はほかの相続と違い、亡くなるまで所有していたことを知らなかったり、ずっとなんとなく所有してきて、活用していなかった場合があったりと、多くの人が戸惑ってしまうものでもあります。

しかしながら、山林はうまく使うことで有効な土地活用を見いだすことができます。いったいどんな活用方法があるのか、順番に見ていきましょう。

山林の土地活用方法

山林の土地活用を行う場合、具体的には以下の4つのような活用方法があります。自分の今の状況や山林の状況などを鑑みつつ、どんな活用法が向いているのかを考えてみましょう。

太陽光発電

山林の広い土地があれば、太陽光発電の装置をおいて、発電することができます。この電気を販売すれば収益にもなり、有効な土地活用と言えます。特に山林は周りに障害物が少なく、太陽の光を集めやすい土地ですから、太陽光発電にぴったりの場所です。肝心の収益は、買取制度があります。1kwあたりで政府が買い取ってくれることがあり、大きな収益となります。確実に買い取ってくれる相手がいるということは、大きなメリットになるでしょう。また、維持費がほとんどかからないこともポイントです。

デメリットとしては、初期費用がかかるということがあります。太陽光発電装置を設置するときに、1kwあたり30万円ほどの金額がかかることや、地盤が悪い場合は改良費が必要になることもあります。そのため、投資を行うか悩む方も多いことでしょう。しかし、一度設置してしまえばランニングコストもかかりませんし、収益を定期的に上げることができますから、時間をかけてもとを取ることは十分に可能となっています。

宅地の賃貸

山林に家を建設し、貸し出して利益を得るという方法もあります。山林は場合によってはかなり広い土地になりますから、宅地などを建設して収益にするのも良いでしょう。ただし、山林に家を建設する場合には、都市計画法や建築基準法を見て、家を建てられる場所なのかどうかを確認する必要があります。たとえば、都市計画法によって都市計画区になっている場合は規制を受けることや、建設を禁止されることがあるため、注意が必要です。

しかし、この基準をクリアしていれば建設できますし、それ以外のところにはあまりデメリットは見当たりません。希望して住もうとする人が多いとは言えませんが需要はありますし、ライフラインも整備すれば問題になりません。山林を希望する方はそれほどの利便性を好まない人も多いため、神経質になる必要はないでしょう。

林業として活用

山林の良さをそのまま生かすのであれば、林業という手段もあります。木々は資源としても使えますから、林業に明るければ、ビジネスにするのも良いでしょう。しかし、山林がこれまでほとんど手入れをしていない状況なのであれば、注意が必要です。木材はなんでも売れるというわけではなく、きちんと価値のあるものしか販売できないからです。林業でビジネスを始めようとする場合は、林業に詳しい人がいるか、ビジネスとしてやっていける保証があるかなどを鑑み、慎重に決めるのが良いでしょう。

企業に貸し出す

自分たちではどうしたら良いか分からない場合、企業に貸し出して活用してもらうこともできます。土地を貸し出すことで、定期的に収入を得られることになるため、比較的安定した土地活用と言えるでしょう。

しかし、企業はどんな山林でも借りてくれるというわけではありません。自分たちにとってメリットのある土地でなければ、意味がないためです。たとえば、交通アクセスが悪ければ、企業としても使いづらく、山林の状態が非常に悪ければ、改良に時間や経費が必要になるため、貸し出すのは難しくなります。

企業に貸し出して土地活用してもらいたいと考える場合は、あらかじめ山林を整備しておくなど、対応できるように工夫しておくのが良いでしょう。

このように、山林を土地活用する方法はさまざまです。土地活用をすることで収益を見込めることも多く、そのままにしておくよりもメリットがあります。しかし、ここまでの活用方法を見ても、いまいちピンとこない方も多いのではないでしょうか。そんなときは、プロに相談してみましょう。

土地活用に困ったらプロに相談

物件などとは違い、山林は土地活用に非常に迷ってしまう場所でもあります。自分たちでは上手に使いこなせないと、自信喪失してしまうケースも少なくはありません。しかしながら、こうした山林の土地活用を身内だけで抱え込む必要はありません。土地活用のプロに相談し、有効な土地活用方法を考えてもらえば良いからです。

プロであればこれまでの実績や事例を見せてもらうこともできますし、どれくらいの費用がかかるかなどの見積もりもしてもらえます。相続してそのままになっている土地があるのであれば、一度相談だけでもしてみてはいかがでしょうか。