相続税の税率と相続税対策

遺産相続の基礎知識

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相続税の税率


 相続税の税率は前回お話しいたしました。法で定められた金額以上の財産を相続することになると、相続税を支払う義務があります。
 かといって、相続税を支払う人は、相続があった人の約8%なので、やはり、マンションなどの不動産を持っていたり、会社を経営されている方でないかぎり、いわゆる一般家庭では、いまのところ、相続税を払う人はそれほど日本にはいるわけでもありません。
 相続税は、相続した人が各自で計算するわけではなく、相続財産全体から、控除額を引いて計算します。マンションなどの不動産もその不動産ごとに相続税の課税価格の計算方法が決められているので、各財産ごとに計算します。それをすべて合算して、相続税率をかけていきます。そして相続税は、相続した人の相続割合に応じて、相続税を支払うことになります。
 税には、基礎控除が設けられている場合が多く、所得税にも基礎控除が、誰にでも38万円ありますよね。また給与収入にも給与所得控除というものがあり、その額は給与収入によって変わってきますが、一番少ない人で65万円となっており、よく、103万以下の給与収入の場合は、所得税がかからないといいますが、これは、基礎控除38万円と給与所得控除65万円を足した額が103万円になるためです。
 相続税の基礎控除は3000万円です。ですので、財産全体が3000万円以下だと相続税を支払う義務はありません。そして、法定相続人1人あたり、600万円が控除となるため、600万円×法定相続人の金額が控除されます。また、財産ごとに相続税を評価する計算方法がありますが、被相続人が自分を被保険者および契約者として契約した生命保険の死亡保険金や退職金にも、法定相続人×500万円の非課税枠が別途あります。ですので、法定相続人が、配偶者・子2人の合計3人の場合は、500万円×3=1500万円までは相続税がかかりません。それを超える金額については、相続財産に合算することになります。この金額を超える事がない場合については課税の対象とはなりません。
 また、当然ですが、マンションなどの不動産に、ローン残債などがあった場合は、マンションの相続税の課税価格から、このローン残債額は差し引いて課税価格を算出します。
他にも、借金などがあった場合は、相続財産全体から差し引きます。
 例を出しましょう。法定相続人は3人とします。
現金・預貯金・株式(時価)の合計が1000万円
マンションの課税評価額が4000万円
マンションのローン残債が1000万円
生命保険金が3000万円
葬儀費用が200万円
だとしましょう。
これを計算すると、1000万円+4000万円+(3000万円-500万円×3)-1000万円-200万円=5300万円となります。
ここから、基礎控除と差し引くので、5300万円-3000万円-(600万円×3)=500万円が相続税の課税価格となります。
 これを法定相続割合で分割したとすると、配偶者が250万円で、各子供が125万円ずつとなります。配偶者は申告することによって、相続税は法定相続分もしくは1億6000万円までは相続税はかかりません。子が受け取る相続財産にかかる相続税率は10%なので、子だけが各自12.5万円ずつ相続税を支払う義務があります。
 マンションなどの不動産がある場合は、相続税評価額の算定方法が別途定められているので、相続税がかかるかもしないあと思われた場合は、税理士などの専門家にすみやかに相談することをおすすめします。

相続税の対策


 被相続人が亡くなると、相続が開始されます。そして相続財産が一定の金額を超えると、相続税を相続の開始から10か月以内に支払う義務が発生します。相続税は、申告しないとわからないと思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、税務署には、毎年、固定資産税や所得税などの情報が届いているわけです。相続税かかかるかかからないかは、だいたいわかっています。しかし、相続財産がマンションなどで、売却しないと相続税が払うことができないなども問題も出てくるかと思います。そういう場合は、とにかく放置しないで、税務署に相談すると、分割してくれるなど、相談にのってくれます。放置したままだと、重加算税が課されたする場合があります、納税は国民の義務なので、義務を果たさないと、罪になるのです。
 ですので、マンションなどの不動産が相続財産になる場合は、あらかじめ対策をとっておくことが重要です。対策することで、節税することができる場合もあります。
 被相続人は、相続財産にマンションなどの不動産がある場合は、その財産をどのように相続されるかどうかは決定しておいた方がよいでしょう。国税庁の統計によると、相続財産の5割程度をマンションなどの不動産が占めています。相続時に、相続税をなるべく減らしたいのであれば、事前に対策をしておくことが重要です。
 被相続人は、亡くなるまでに、相続財産自体を計画的に減らすことも対策のひとつとなります。一般的には、生前に贈与をおこなったり、生命保険を活用することがあげられます。不動産によっては、高額な評価になるケースもあるため、小規模宅地の特例を活用したり、賃貸にすることで、相続の課税評価を下げることが可能でしょう。しかし、賃貸マンションにする際に、銀行などからローンをして、安易に借金を作って建ててしまうと、相続時の課税評価が下がりますが、その賃貸マンションに借りて住む人がいないと、空室だらけになってしまい、ローンが返せなくなってしまう可能性もあります。マンションを建設する会社は、家賃保証はしますなどと営業トークで積極的に勧誘してくるかもしれませんが、マンションの賃貸は、マンションを経営することです。家賃保証は永久に続くわけでもありません。ですので、相続税の課税評価を下げるためだけに安易にマンションを建てるのではなく、マンション経営をする視点からも十分に検討する必要があります。
 生前贈与ですが、これは、亡くなる前に、先に財産をあげることをいいます。この場合、財産を受け取る側のかかる贈与税は、贈与税の基礎控除として所得年度当たり110万円があります。
 相続財産に課税される可能性がある場合は、生前に対策しておくことで、相続税の軽減をすることができるのです。

相続税の決定方法


 相続税は、被相続人の財産を受け取る人に支払う義務があります。日本の相続の考え方としては、財産を労力無しで得ることになるので、課税しますということになります。
 そのため、相続財産を取得した人や、法定相続人ではないけれど、遺贈によって財産を取得した人は、一定の範囲を超えると、相続税がかかります。また、相続時精算課税を利用した人についても、相続時に贈与を受けた金額を相続財産に合算して精算することになります。
 相続時精算課税というのは、被相続人が亡くなる前に贈与を受けた場合、2500万円まで非課税としますが、相続が開始したときに精算するという制度です。
 相続税の決定までには、4つのステップがあります。
第1ステップ
相続財産の課税評価額を計算します。
第2ステップ
相続税の課税価格から基礎控除額をさしひきます。
第3ステップ
法定相続割合で受け取ると仮定して、相続税を計算します。
第4ステップ
相続人が実際に受け取る財産割合に応じて、計算した相続税を按分します。
 相続税の計算は、手順に従って計算していくこととなります。配偶者は、法定相続分もしくは1億6000万円のどちらか多い方まで相続税はかからないようになっています。
 マンションなどの不動産が相続財産などに含まれる場合は、事前に査定を受けるなどしておいた方がよいでしょう。

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